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学習支援

第49回日立OB美術会展 立見先生研究会報告
粕谷栄治

今回は、57名参加申込者全員が出席されました。
開催時間の1時間前(午前10時)から研究会を一階から始めたことは良かったようです。午前中の来客が多く研究会が終了したときには一階は混雑していて研究会ができる状態ではありませんでした。
先生には緊急案件が入り、研究会の時間は二時間となりましたが、それだけに会員もポイントを絞り疑問点を伺い、先生の的確なご指導を頂けたのではないかと思います。 以下、私のメモを纏めてみました。

1. 色彩について
@ 白色を使いこなすのは難しいが、うまく使えると他の色も美しくなる。
A 黒色が他画面を引き締めている。
B 人物の指に黒を上手く使っている。
C 色数を少なくしゃれた絵。
D 影の中に明るさをつけるとよい。
E 湖面の影が美しい。
F 地面・海の色モダンで若々しい。
G 色彩が素晴らしい。
H 人物は柔らかく且つ存在感が出ている。
I 現場で不思議に思った色を描くとよい。
J 朱色に抑揚があり見事。
K 岩・海の紫色が生きている。
L 淡彩画の特徴がよく出ている。
M 影の色が汚れないで描けている。
N 脇役がよく描け、白い面が成功している。
O 緑色には、茶色、ピンクが合う。

2. 構図について
@ 線と面で構成し、色数を少なくしゃれた絵。
A リズミカルがよい。
B 建物を傾け、動きを出している。
C 風景画に人物を入れ生活感が出ている。
D 近隣の風景から魅力ある場所を発見し描く。
E 逆光のある風景を描くと深みのある絵が描ける。
F 油絵らしい絵だ。
G 筆の運びが気持ち良い。
H 山桜に存在感がある。
I 背景の点数、大きさが大切。
J 大きさが表現されている。
K 現地に行ったことが画面からわかる。
L 身近な人を描く。
M 空間を検討する。
N 下から見上げた風景よく描けている。
O 単純化が面白く表現している。
P 身近なものを描く。
Q はみ出して描くことで広がりがでる。
R 手前に力を入れる。
S 頑張り過ぎると重い。

3. モチーフについて
@ 優しさがでている。
A さわやかな感じが出ている。
B 生命力がでている。
C 楽しさがある。
D 自分で作り込んだ絵とわかる。
E 自然は教えてくれる。
F 感動は大切。目で見た感動を絵に描く。
G モチーフがおとなしい。キレがほしい。
H 姿でなく、気持ちの入る対象物を描く。
I 気持ちが生き生きしている絵。
J 生活感が出ている。
K 遊び心で演出する。

私の感想
1. 先生からの講評から、我々に期待されているものは、

『逆光に挑戦』影の中の色彩を研究せよ。
『近燐から感動したモチーフを探せ』何回も現場を見られ感激を新たにする。
『若々しい絵を描く』固有色にこだわらないで自分の好きな色で、大胆に描いて見る。


ではないかと思いましたが皆さんはどう感じましたか。
そして、挑戦されたら如何ですか。

日本人は印象派の絵を好むようです。私も印象派の絵は好きです。印象派の作品を画集等で見ると、風景画や人物画に身近なモチーフの作品や逆光で描いている作品が多いのに気がつきます。
先日モーリス・ドニ―展(1870〜1943.フランス象徴派の代表。『ナビ派』)を見てきました。身近な存在の家族を描いた作品が陳列されていました。色彩も考えられない自由な色で描いていました。ピンクや緑の配色も見事でした。NHKでも放映したのでご覧になった方も居るかもしれません。
画集や展覧会から先生の講評に一致するものを見つけることが出来ました。

2. 研究会で初めて最初から最後まで参加し、メモをとり整理して見ると、絵の見方、作り方等参考になりました。
上記の『纏め』を読まれても理解できない方は、参加し作品を見ながら講評を拝聴されることをお勧めします。
最近、公募展で『ギャラリートーク』が行われています。聞いていますと、抽象絵画や作品の技術的な作成方法などわからないことが見えてきて面白く勉強になります。
研究会も同じことだと思います。

以上


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