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学習支援

第51回日立OB美術会展 立見先生研究会感想記
2012.10.  粕谷栄治

10月1日、午前10時から恒例の立見先生研究会が始まった。
先生は多忙で二紀会の仕事もあり前日都内に宿泊され早めにご来場頂いた。そして、毎回のことだが早々に我々の作品を下見され研究会に入った。最初に全体の講評を戴き、個々にどうすればよりよくなるかポイントをご指導頂くことになった。
講評は、昨年は大震災の想いが作品の中に表現されているものが散見されたが、今年の作品は比較しておとなしいとのことでした。先生からご覧になると少々物足りなさを感じられたのではないかとご推察する。
しかし、女性の作品は、いつも通り良いと後で伺いましたことをお伝えする。
研究会の内容を含め、私の感想であり当てはまらない点もあるかと思うがご了承戴きたい。

1. 絵の中の余分なものを発見するのには、対象物を指で押さえて見ると良い。 点描人物、動物、静物、花等々本当に作品の上で必要なのか、 大きさは、数は、色は、形は、強弱は 等々よく考えることが肝要。
2. 『もっと日本の風景を描いたら良い。中村さんの作品(深みゆく秋)はよいお手本だ。畑,遠景の山、風の流れも出ている。』との講評をされている。今回特別に作品の写真を掲載してもらったので見てほしい。 近場から絵になる題材を探す努力が必要のようだ。
3. 何回も研究会でご指導頂いていることだが、人物画は、デッサンができていないとダメで描き込みが重要。また、展覧会用作品には、教室とは別に『モチーフを選ぶ』ことが大切とのご指摘もあった。
4. 『ロートレック』『ホッパー』『安野光雅』『セザンヌ』『ムンク』『光琳』『ユトリロ』等の画家の名前が今回は次々にで、関連で色彩・構図のご指導があった。 美術書で調べると広重の名所江戸百景『亀戸梅屋鋪』1856−58をヴァン・ゴッホが『日本趣味 広重の梅』1887年として描いている。他にもあることはご承知の通り。 有名な俵屋宗達の国宝『風神雷神図』を尾形光琳が写し(重文)『風神雷神図屏風』を描き、それを酒井抱一が写している。また、抱一は更に光琳の重文『風神雷神図屏風』から雷神は夏草、風神は秋草として重文『夏秋草図屏風』を描き上げている。 アンリ・マチス『石骨像のある静物』1916年とパプロピカソ『静物,胸像、鉢、パレット』1932年等は構図が似ている。 このようなことは沢山あるので調べて制作に生かしてみるのも良い勉強になるとのヒントを頂いた。特に人物画の構図、静物画の構図には大いに参考になるのではないでしょうか。
5. 良い絵とはどんな絵なのか。
先生の褒め言葉を列挙してみると、多分良い絵が浮かぶのではと思う。どのくらい当てはまるだろうか。
さわやかな絵
穏やかな絵
シンプルな絵
嫌味がない絵 
見ていて気持ちが良い絵
空気を感じる絵
おしゃれな絵 
モダンな絵
面白い絵 
主役が引き立っている絵
影が描けている絵
丁寧な筆使いの絵
大胆な絵 
力強い絵 
強弱が生きている絵 
線が生きている絵 
色が濁らない絵

6. 近景の描き方に対するご指摘が多かったように思う。

次回に向けて少しでも先生のご指導を生かせるようにしたいものだ。


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