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私の個展 - 喜田祐三 -

私は1995年に社命によりシンガポールに赴任しました。発展するアジアに日立半導体の設計拠点(設計会社)を設立しアジアにおける半導体事業を拡大することが目的でした。私はこの目標に向かって邁進しましたが、一方、異国での油彩の制作にも同じように努力しました。シンガポールは1965年にマレーシア連邦から独立し、わずか30年で、世界のミラクルといわれる発展を遂げていました。偉大な指導者、リー・クアンユー氏と彼の優れた仲間たちによる功績です。

赤道直下に位置するシンガポールは白い壁と赤い屋根、白い砂浜と青い海、街中に咲き乱れる赤いブーゲンビリアの花と青い空、というように、強い南国の色彩のコントラストがまず、私に大きな感動を与えました。

赴任前に私は絵の仲間達から「シンガポールは人工的に作られた清潔な都市だから絵のモチーフになるような味わいのある風景はありませんよ」、といわれましたが、実際に一歩シンガポールに足を踏み入れると、ビックリするほど生活感あふれた、古く味わいある風景が溢れていました。

私は在勤7年の間に沢山の油絵、水彩画を描きました。そして3回の個展を開催しました。

 第一回:1997年1月(ギャラリー「Substation」)―油彩40点
 第二回:1998年12月(同上)−油彩20点、水彩30点
 第三回:2001年12月(同上)−油彩40点

会場にしたギャラリー「Substatiobn」は昔、変電所だった建物が今では若者い芸術家達のために大改造して、小劇場、貸しスタジオ、展覧会のためのギャラリー、コンサートホール、などになっています。ギャラリーは壁面が50メートルあり、借用料は1週間で15万円くらいだったと思います。

シンガポールは日本に比べて額縁屋が多く、かつ、額縁が安価です。例えば、F10号の額は相当立派なものでも5,000円ほどで作ってもらえます。また、日本との違いは全て、絵にあわせて額縁を作るところです。一旦、額装すると絵を額から外すということが出来ません。額と絵は一体になってしまいます。日本での「掛け軸」と同じ感覚です。

写真は第二回目個展(1998年)のオープニングパーテイのときのスナップです。3回の個展に出品した作品の総数は油彩画(100点)、水彩画(30点)ですが、私は駐在した7年間にシンガポールで描いた油彩作品の総数は200点くらいになると思います。

個展の会場では展示した作品の70%ほどの作品が売れましたが、値段は日本の半額以下にしないと売れません。私の場合は4,000円 / 号くらいにしました。額縁代が安いのでこれでも元は十分、回収できます。 個展に出品しなかった油彩画作品と個展で売れ残ったもの(合計130点くらい)は帰国の時に友人達に記念にプレゼントしたり、(F60〜F80)の大きな作品は当地の日本人会やお世話になった企業などに寄付しました。100点以上の私の作品が今でもシンガポールに残されていると思うと、何か自分の子供をシンガポールに残してきたような気持ちになります。2002年に帰国してからすでに7年が経過しますが、私と家内は一年に一回、シンガポールを訪問します。その時に私の作品に再会できることが楽しみです。

 

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