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第50回記念展エッセイ集 第22回  

「一〇〇〇号を目標として」 -川辺 潮-

一九九〇年の(中研)― (デセ)研究連絡会議の帰りに、「子供の頃少々やった」と喜田祐三画伯と交わした後日、油絵の道具一式が自宅に届いた。これが縁で、油絵を本格的に描くようになった。喜田画伯と故佐藤喜久治画伯のお世話で、古びた革靴やワイン瓶等を囲んで、休日に八号油絵をよく描いた。

故・神原豊三画伯の「古都の鹿累々」に感銘を受け、(中研)遊画展や日立OB美術会展に毒性の少ない絵具で彩る二〇号作品を出すようになった。

その後、大学に転職する挨拶で神原画伯を訪ねた際、「一〇〇〇号(作品の合計号数)を目指して描き続けなさい」と励まされた。

海外展には生憎、所用で作品だけ米国に渡ったが、山本衛画伯に大変お世話になった。

学会発表の毎に欧米の美術館巡りをして名画を直接観る機会に恵まれ、大変勉強になった。二〇年経って、やっと累積で目標の半分を超えたに過ぎない。

後残り少ない時間をフルに自然界と先人から学んで、一〇〇〇号を目指して日立OB美術会展に出し続けたいと思う。

 

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