私の札幌スケッチ旅行 - 粟根 洋 -
苫小牧に法事があり、夏の苫小牧に連続3回行く機会があった。透明水彩を始めていた私は絶好の機会と札幌中島公園近くに女房と2泊し、約2日間スケッチを楽しんだ。女房もこの間、カメラを片手に羊が丘他の公園巡りをし、夜は共に味覚巡りをした。描く場所は「札幌時計台」、「北大植物園」を含む近接の5ヶ所を選び、光の方向を考えスケッチと彩色を分けて移動を繰り返した。
[大通り公園]F4サイズのブロック型画用紙(Strathmore
Imperial)を持参し、1枚の完成に約2時間を当てた。この公園は防火線目的で作られた札幌の象徴とも言われ、噴水や花壇が豊富でテレビ塔も格好のモチーフになる。カメラ撮りを頼まれた香港のアベックは札幌に魅力を感じて来たと誉めていた。
[旧北海道庁]1888年、米国ネオバロック様式の赤煉瓦作りで国の重要文化財。正面玄関が良く見える位置を探し描き始める。ボタニカルアートを描く女性と話が弾み気持ち良く描き上げた。橋の袂に咲く睡蓮の花が満開でモネの睡蓮の絵を思い出した。この旧道庁は裏側からも絵になるということを後で知った。
[北大古河記念講堂]1907年、札幌農学校が東北帝大農科大学になった時に建てられたこのフランスルネッサンス風建物は古河財閥の寄付による。白塗り木造の建て家と緑の樹木のバランスがとても良かった。自転車に乗った金髪の女性が颯爽と走り去って行ったのが妙に背景とマッチしていた。
この旅行で体験したスケッチ旅行のポイントは以下である。 (1)
描く対象場所をホテルの近くにとり、時刻と光の方向性に配慮する。 (2) 絵のサイズはリックに入るF4サイズ以下を選び、携帯椅子を用意する。 (3)
話かけてくる人との会話は楽しいが、時間をセルフコントロールする。
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