最近の公募展・グループ展を観て - 陳列委員会 -
芸術の季節です。六本木の国立新美術館がオープンして主だった展覧会が上野から六本木に移りました。これで伝統ある上野の東京都美術館が閑散とするかと思いきや、さにあらず、相変わらず次々と東京都美術館は込んでいるようです。それだけ絵画愛好家が増加して展覧会の数も増えたということでしょうね。
最近、日立OB美術会の会員が所属する中央画壇展や各地でグループ展が多く開催されています。
私が短期間(4月〜7月)に観た美術展はちょっと列記しただけでも、このようになります。
「一線美術会」(中村氏、山本氏、松永氏)、「日洋会」(安藤氏)、「北辰会」(建脇氏)、「樗(おうち)の会」(立見先生)、「勝美会」(松岡氏)、「獏の会」(粕谷氏)、「所沢洋画協会」(粕谷氏)、「一線美術東京支部会」(山本氏、松永氏)、「裸婦クロッキー展」(建脇氏)などがあります。この他に私が観られなかった会員各位の展覧会も多かったことでしょう。
そこで私の感想ですが「会」の伝統や性格、指導者の考え方、または審査委員の好みなどによって「会」の作品スタイルは異なりますが、一般的な最近の傾向として抽象画や抽象画とはいえなくてもコラージュや新表現法を駆使した新しい試みの作品が多いように思います。特にこの傾向は公募展の作品にはっきりと現れています。
日立OB美術会の大半の会員が追及している「写実的表現手法」は、どちらかといえば現在ではマイナーになりつつあるのです。私はチャレンジ精神が弱いのでしょうか、あるいは保守的に過ぎるのでしょうか?
最近、私が観た展覧会の中でも「モネ展」、「モデイリアニ展」、「児島善三郎展」、「Alfred Wallis展」、「小熊秀雄と画家たち展」など印象派、後期印象派の作品を観るとホッとして疲れが取れるのです。私は日立OB美術会の皆様が追及している、いわゆる「写実的表現法」を地道にそしてしっかりと追求することが一番大事だという考え方に固執してしまいます。(喜田祐三)
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