美術サロン

2022年5月度 美術サロン報告

久しぶりに晴れた5月10日(火)、東急目黒線武蔵小山駅近くの小山台会館で開催、出席会員20名、出品会員8名でした。

粕谷栄治さん   (油彩 1点)
4月のサロン会に出品された作品を手直しした作品で左右に分割された道と川の川部分を下げた作品でした。これにより一体感が増して粕谷さんの穏やかで繊細な雰囲気の風景画に仕上がっており、皆、魅入っておりました。

石川良教さん   (水彩 3点)
雪の積もった風景画で、赤い神社の鳥居を中心に脇に大木を従えた見事な作品でした。朴木を描いた作品は大木に絡んだ木の葉の多様な動きと太い幹の対比が面白く、また、木の葉もそれぞれに描き分けたキメの細やかさに皆、感心しておりました。また、赤いバラから滴り落ちる血と思われる作品は、銃弾の連なり、民衆の無機質な表現、ウクライナの危機感を現した今日性豊かなテーマがサロンにも表れたことに皆びっくりし、考え込んでおりました。

鈴木一雄さん   (油彩 1点)
猫を入れた風景画がテーマの作品。ロンドンの閑静な住宅の庭の道に横たわる猫が、緑と花と住宅の屋根の直線の中で、妙に溶け込んでいる作品でした。意見としては、道の左の花壇と道を区切る線が、直線すぎるので少し不自然。柔らかくしては、との意見で、一方、屋根の直線とうまくあっていて、これはこれで良くないかとの意見もありました。

池川人正さん   (水墨画 1点)
アフガニスタンで、銃弾に倒れた中村哲医師がテーマの作品。この作品もドキュメント性に溢れ、社会と絵画との繋がりの深さを感じさせ、皆、考え込んでおりました。地平線まで続く水路の半ばまで来ている水の尊さ。人間の生き方まで考えさせる作品でした。

松本行夫さん   (油彩 1点)
横浜・日吉の川に浮かぶ漁船を描いた作品。漁船のブルーの線が画面を引き締めている軽やかな雰囲気が良い、との意見と漁船の連なりが不鮮明、奥の漁船を抑えたら、との意見もありました。

喜田祐三さん   (油彩 2点)
シンガポールのホテルの中庭でくつろぐ人物を描いた作品。手前の大きな樹木が画面を引き締めており奥のホテルの部屋の窓の連なりが中庭を引き立てて、また、人物の色彩もバランスよく、重厚な中にも明るさもあり見事な作品でした。2枚目は喜田さんのシンガポールの自宅のベランダでくつろぐ喜田さん夫妻と外に広がる海辺の風景。何とも羨ましい一枚でした。喜田さんの画風も最近では、円熟味が増してきた感があり、この作品のわかりやすさも見事でした。

井出勝彦さん   (パステル画 多数)
多様な色彩と線が画面に動きと立体感を与える「井出さんワールド健在なり」の作品群でした。井出さんの作品を見るたびにその制作意欲とエネルギーに感動させられて、皆、唸っておりました。

小倉裕之さん   (木炭画 2点)
馬のデッサン作品は、画面に光と風が感じられてさわやかさにあふれた作品でした。冬の木立の小品は4本の木の配置、木の反りの変化、影の動きの面白さ、どれをとっても見事な出来で、大画面での作品が待ちどおしいとの意見が多くありました。

次回は6月14日(火)に同じ小山台会館で13時~14時30分に行います。梅雨模様かもしれませんが、奮っての参加、お待ちしています。

(酒井康彦 記)

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2022年4月度 美術サロン報告

4月としては、異常に暑い4月12日(火)、東急目黒線 武蔵小山駅前の小山台会館にて、開催されました。出席会員8名、内、出品会員5名でした。

小倉裕之さん  (石膏トルソ アグリッパ着衣の像)
彩色された着衣の珍しいアグリッパに、皆、驚いていました。しかもこの組み合わせに違和感がなく新しい感覚すら感じさせていることに小倉さんの発想力に感心しておりました。技法としては、バックの暗色の作り方、顔料の混ぜ方の工夫も述べられて、皆、参考にしておりました。新しい技法のジスカッシオンも、美術サロン会参加の得るところでもあります。

建脇 勉さん  (油彩 1点 )
群生の水仙を描いた小品の作品。厚塗りの中でも、個々の花の違いも的確に描き切った見事な出来栄えに皆、唸っておりました。小さな画面の中にも遠近感が確りと表現されており、建脇さんの作品らしい目配りの効き方の見事さに皆、魅入っておりました。

粕谷栄治さん  (油彩 1点 )
上高地の風景画。画面を2分割している中央の木立に意見が集中しておりました。右の道の部分と左の川の部分の2枚に分けたら、という意見や川を下に小さくしたら、などの意見でした。緑の塊や道、川の表現が粕谷さんらしく、色使いが豊かな作品なので、もう一工夫したいとの作者の言葉に皆納得しておりました。

松本行夫さん  (油彩 1点 )
立川市の昭和記念公園の風景画。ボリュウムのある緑の塊とアクセントの白いススキの連なり。主役の大きな銀杏の木が画面をしっかりと支えている見事な描写に皆、魅入っておりました。

喜田祐三さん  (油彩 2点 )
シンガポールの風景画。重厚な厚塗りの喜田ワールド横溢の見ごたえのある作品でした。ブラスバザール広場の古い街並みの手前に立つ3本のヤシの木の影が道路をこえて家まで届いているのが画面を軽快にしている面白さなど、喜田さんのユニークさが出ていて面白いとの意見が多くありました、チャイナタウンの道路の真ん中に大きな樹木に幹を置き、手前に人の集まりを配した、喜田さんらしい構図と作品づくりは見事に完成度を高めておりました。

次回のサロン会は5月10日(火)です。会場は同じ、小山台会館で午後1時からです。終了後、久しぶりの役員会を行います。秋の展覧会に向けての重要な委員会ですので、3回目の接種を終えて委員の方は出席願います。

(酒井康彦・記)

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2022年3月度 美術サロン報告

去る、3月8日(火)3か月ぶりに対面式の「美術サロン」を小山台会館において開催しました。
オミクロンによる感染者数がピークアウトしたとはいえ、まだ安心とは言えない状況の中で、
4名のメンバーが全員作品をもって集まりました。午後1時から2時半までじっくりと美術談義に花が咲きました。

喜田祐三さん (油彩画2点)
シンガポール風景の最新作2点持参。
➀「シンガポール・ジュロン港」は夕闇迫る工業地帯の港風景です。絵画は音楽が聴こえてくるようにならないといけない、この作品からはまだきれいな音楽が聴こえない、との厳しい指摘がありました。
②「アンダーソン橋」の作品は暗い建物群と明るい空・水・橋の対比を狙った作品です。近景の黒い船は真横からの描写でなく、少し傾から描くと絵に動きが出る。黒の部分の色彩はもう少し深みのある黒が良い、ライトレッドとプルーシアンブルーを混ぜて作る黒色がよいとの指摘がありました。

植田千秋さん (日本画2点)
➀「サボテンの花」は自宅で育てているサボテンに立派な花が咲いたので、感動して描いた作品。
背景を緑のモノトーンにしているが、上下でグラデーションを付けたほうが良いとの指摘がありました。
②「木漏れ日の葡萄畑にて」は、2人の孫を葡萄棚の下に置き、木漏れ日の表現を工夫をした作品です。
昨年12月の美術サロンにぶどう棚だけを描いた作品が提示されましたが、今回はそれに人物を入れたことによって、作品に幅が出来、物語性が生じました。また、近くの葡萄の房を大きく表現することによって、作品が「立ち」とても良くなった、との評がありました。

建脇 勉さん (水彩画の裸婦3点)
➀裸婦―1~裸婦―3は、空間を如何に表現するかを試みた試作品であります。つまり、作品1は裸婦を通常の大きさに描き、作品2は少し小さく描き、作品3は裸婦を大変小さく描く。裸婦3の背景にできた大きな「空間」を如何にして表現するかの試みである。意見としては、小さく描いた裸婦は、よほど強く描かないと大きな空間を支えきれない。もっと密度を高めて描くべきだ。また、かすかに描かれた空間を構成する部屋の消失点をもっと正確に描くべきだ、と指摘もありました。
②作品―4「花に囲まれた裸婦」裸婦の上下の空間に描く花の表現の仕方に議論が集中しました。

小倉裕之さん (木炭デッサン2点、グアッシュの花1点)
➀2点の木炭画「アグリッパ」は前回持参した木炭画と新たに描いた木炭画の2点です。実は前回、作品1を持ってきたところ、多くの好意的な意見の一方、「アグリッパの鼻が弱い」との意見がありました。今回それを改善すべく描きなおしたのが作品2です。意見として、「アグリッパの鼻の表現」がとても改善された。その原因は鼻・目・額・耳などの骨格をグラデーションと陰影を意識して強化したこと。
②作品3はグアッシュを使って描いた「赤のシクラメン」です。意見としては、個性豊かな「小倉裕之のシクラメン」に感動するとの意見でした。素晴らしい個性的なシクラメンの花の表現に感動しました。


4月度「美術サロン」は4月12日(火)小山台会館(204号室)です。

(喜田祐三・記)

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2021年12月度 美術サロン報告

本格的な冬に入った感の寒さ厳しい12月14日(火)目黒の小山台会館で開催。合評会の後、久し振りの委員会も行われたので出席会員12名、内、出品会員8名でした。

小倉裕之さん (石膏トルソ デッサン 2点)
前回の木炭画に修正を加えた作品とグァッシュで描いた作品の2点でした。グアッシュの作品は水彩の1種であるガグアッシュの使い方の難しさにふれ乾きが早いので、早く描かなければ乾燥が早いので大変との苦労話に皆、勉強しておりました。作品としては未完成の部分がありもうひと頑張りが求められていました。特に、首から下の部分の直しとバックのプルシャンブルーの色の一工夫が指摘されておりました。

石川良教さん (水彩画 4点)
ツツジの大きな花の作品は花をデフォルムして、花に寄ってくるようにミツバチさんいらっしゃいという気持ちで描いたとのやさしい石川さんの心根に皆、にっこりしておりました。奥日光の小さな沼を描いた作品は深まる秋の日差しとそれを受けてたたずむ木々、古びた桟橋の佇まい。どれをとっても英国の風景画の大家ターナーの雰囲気そのものと、皆うっとりと魅入っておりました。ケヤキの太い幹の表面のパターンを描いた作品は、面白いが幹だとわかりにくい点が指摘されておりました。

建脇 勉さん (油彩 1点 水彩 3点)
油彩の作品は、前回出品に手を加えたものでますます磨きがかかった感がしました。意見としては、中間の木立の群れをもう少し強めたらどうか遠近感が増すとの意見が多くありました。奥に広がる広場の解放感、その奥に広がる木立の細密さ、その空間処理の見事さ、どれをとっても見事な傑作に仕上がっていることに皆、感心しておりました。裸婦の作品は、難しいポーズにめげず、その肢体の柔らかさを見事に描き切った建脇さんの技量に皆、うっとりしておりました。

大塚健嗣さん (切り絵 2点)
2作品とも、一部未完成でしたが、相変わらず切り絵の大家としてのプライドそのものの傑作でした。完成が待たれます。大塚さんから使用する色紙は市販のものでは色褪せが早いのでプリンターで色造りしているとのこと。高度な作品にするためのチャレンジの深さに皆打たれておりました。大塚さんから少し体調がすぐれないとのお話があり、貴重な切り絵作家の末長いご活躍とご健康を皆、願っておりました。

若狭孝治さん (油彩 1点)
まず初めに、今回の日展に初入選の報告があり、本会員から日展作家を派出したことを皆、大喜びしておりました。作品は川辺の風景画でいかにも日本の田園風景らしい風景画に仕上がっておりました。若狭さん独特の水門のある川の風景ではなく、少し物足りない感じもしましたが、実景は画面の川の少し下のところにロードレース用のコンクリートの橋がありそれを省いているとのこと。のんびりした風景にコンクリートの橋が不釣り合いだとして省いたが橋を入れることの新鮮さも捨てがたい、など考え迷っているとの悩みを告げられたので皆の意見も分かれて意見を述べ合いました。のんびりしていて流れてしまう。反自然的なものを置いて少しひっかかる。視角に入った時のインパクトを考えるとともに完成度とはどのことを指すのか。難しい問題との認識の上に意見を出し合いました。

井出勝彦さん (パステル+鉛筆での裸婦スケッチ 6点)
独特なポーズの作品が多い裸婦を得意とする井出さんの作品の中でもその肌色に変化をつけて斬新な裸婦像を作ろうという狙いに対する習作とのこと。絶え間なく好奇心豊かに挑戦する井出さんに皆、感心しておりました。今度の作品ではその肌色の変化も、もう少し色として強く出したほうがよいとの意見が多く出されました。これからが楽しみです。

恩田 博さん (油彩 1点)
こども園に行った時に、そこで見た子供の絵を観て、その面白さに感動して制作した作品とのこと。豊かな色彩のオベリスクの中に子供の世界のモチーフを数多く散りばめた楽しい作品に仕上がっておりました。バラバラのようでメインのカットをしっかりと置く目配りの良さ。おとなも子供も楽しめる傑作に皆、にっこりしておりました。

植田千秋さん (日本画 1点)
富士山を描いた作品は、前回出品した作品の修正版で、富士山に纏わる小さな雲の数を増やしたもの。手前の山並みの位置づけに悩んでいるとのこと。雲がばらつき過ぎていないか。との意見もありました。日本画で描く富士山の難しさを実感しておりました。ブドウ園のブドウを描いた作品は、ブドウが平面的な表現でパターン化している。どこを見ていいのか分からないとの意見も多くありました。主役を作り、脇役を作る難しさ。絵を描く難しさそのものかもしれない。そんな思いを起こさせる1枚でした。

次回は、1月11日(火)13時~15時 同じ小山台会館(東急目黒線・武歳小山駅下車 西口から徒歩3分)です。合評会の後、軽く新年会を考えております。多くの会員のご参加をお待ちしております。

(酒井康彦委員 記)

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2021年11月度 美術サロン報告

季節の変わり目の雨の中、11月9日(火)東急目黒線の武蔵小山駅前の小山台会館で午後1時から2時30分迄開催されました。強い雨のためか出席会員5名、内出品会員3名でした。

小倉裕之さん (石膏トルソ アグリッパの木炭画 1点)
アグリッパの重厚な風貌を適確に表現した傑作でした。特に陰影のつけ方に締まりがあり完成度の高さに皆、感心しておりました。

建脇 勉さん (油彩 3点)
密な木立をそれぞれの存在感豊かに描き分れた作品は、枝を張った木立の重厚さ、陽の当たり具合とその影。どれをとっても見るものに迫り、皆、魅入っておりました。裸婦の2点は、建脇さんの制作哲学とも言うべきモチーフへの幅広い取り組みに皆、聞き入っておりました。足を延ばした少年の裸体の作品では、少し足が長くはないか、との意見がありました。

喜田祐三さん (油彩 3点)
白い建物のシンガポールの風景画は、並んだ建物の描き分けが確りしていて、完成度の高い作品でした。右端のグレイのビルはもう少ししっかり描きこんだ方がいいのでは、との意見がありました。喜田さんも納得しておりました。ローマの街並みを俯瞰で描いた作品は、手前の大きな塔をもう少し目立つような色彩と大きさに描きこんだ方がいいのではとの意見がありました。また、塔自体を少し左に寄せた方がより目立って画面が締まるまるのでは、との意見もありました。裸婦の作品は、喜田さん独特のデフォルメが充分生かされた作品で、皆、喜田ワールドを、楽しんでおりました。

次回のサロン会は、12月14日(火)午後1時から2時30分、小山台会館で少し大きめの会場を取っております。終了後、ささやかな飲食会を予定しております。奮ってのご参加、お待ちしております。


                 

酒井康彦委員 記

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2021年10月度 美術サロン報告

秋雨が降ったりやんだりの10月12日(火)東急目黒線の武蔵小山駅前・小山台会館で午後1時から2時30分迄開催されました。出席会員8名、内出品会員6名でした。

小倉裕之さん(ミニペン+水彩 4点)
いずれも馬2頭(バックに白馬2頭)を置いた作品でスマートな肢体の馬で、実物のスケッチや写真などからの描写ではなく想像上での描写と聞いて皆、驚いていました。穏やかな色彩の中にも完成度の高い作品でした。

松本行夫さん(油彩 2点)
1点は、上野の不忍池のハス群を手前に、大黒天、弁天堂のお堂とバックに高層ビルを配した、いかにも不忍池らしい作品。高層ビルと弁天堂が重なり過ぎて不安定になっていないか、左のビルをすこし左に移すと、遠近感と安定感が増すとの指摘に松本さんも納得しておりました。

植田千秋さん(日本画 2点)
富士山を描いた作品は、箱根のロープウエイから見た富士山で、その視点が描写を難しくしていないか。との意見があり、皆が見慣れた富士山だけに色々な意見が出されました。雲の描写には、細かく分けた雲が動きすぎていないかとの意見もあり植田さんも頷いておりました。もう1点は、上野の不忍池のハスの花の群れ。開いたハスの花のひと花、ひと花を、丁寧に描き分け、しかも大きな遠近感のもと、遠景の花にまで気を配った観察力。見事で皆、うっとりと魅入っておりました。

福室 正さん(鉛筆+水彩 2点)
籠の玉ねぎの作品は、掘りだしたばかりのような玉ねぎの描写がリアルで使い古された籠の描写と相まって親近感のある作品に仕上がっており皆、笑みをもって魅入っておりました。花の作品は、花瓶の花の周りを花のツルが囲むユニークな画面構成で華やかな雰囲気に溢れておりました。福室さんのチャレンジ精神に富んだ姿勢に皆、頷いておりました。

大塚健嗣さん(切り絵)
誕生した岸田内閣の大臣のプロフィール5人。ドキュメントに富んだ大塚さんの制作姿勢は、この会の大きな柱です。それぞれの柔らかな顔の表情にも、大塚さんの人柄が表れて、和やかな雰囲気に包まれておりました。制作時の技法の説明も微に入り細にわたり皆、真剣に聞き入っておりました。

喜田祐三さん(油彩 2点) 
横浜港を背景に、横浜のイメージを代表する万国橋などを配したユニークな風景画でした。厚塗りの重厚感は健在で、見事な作品に仕上がっておりました。もう1点は、密集した冬木立の中に、ちらちらと見える子供たち。重い木立との対比がユニークで面白い作品に仕上がりました。          

以上

次回は、11月9日(火)です。場所は同じく小山台公民館です。時間は午後1時から2時30分です。
コロナも何とか収まってきており、皆さまのご参加をお待ちしております。なお、終わっての親睦会は、まだ中止しております。ご承知おきください。


酒井康彦委員 記

・2021年10月「美術サロン」作品集(PDF)へ

2021年9月度 美術サロン報告

コロナが収まりつつあります。東京での新規感染者数は9月27日(月)は6か月ぶりに100名台になりました。このままコロナが収束してくれることを祈るばかりです。
今月も用心して、「美術サロン」はWeb形式にしてzoomの画面共有機能を使って、参加者がPC上で作品を観ながら合評することにいたしました。
今回は参加者は少し減って、13名にとどまりました。
先におこなった、第4回「Web展」に出品した作品を使っての合評会でした。
合評会では
➀背景の意味と重要性、②空気感のある描きかた、③個性ある作品を描くために、④洋画と日本画の違い、⑤構図の重要性、⑥構図のバランスのとり方、⑦具象に根差した抽象画の大切さ、
⑧絵画に必要な物語性、などなど多くの意見が出されました。
とても良い勉強会になったと思います。
出席した13名の作品集を添付しますのでご覧ください。

・2021年9月「zoom美術サロン」報告(PDF)へ

2021年8月度 美術サロン報告

酷暑の中、また、緊急事態宣言下にもかかわらず5名の仲間が作品をもって集まりました。 今回は3名が作品を持参しました。 場所は東急目黒線「武蔵小山」駅からほど近い、「小山台会館」(203号室)、会館の入り口に消毒液と除菌・ウエットテイッシュがあり、しっかり消毒して入館します。 隣の大きな部屋で小山台高校のブラスバンドの練習中。換気のために窓を開け、入口のドアも開け、空調全開で美術サロンを始めました。 以下に作品と合評の要点を記載します。

松本行夫さん (風景画・油彩一点)
➀素晴らしい点は新緑の緑の使い方、多様な緑を使い分けて、真ん中の大木、右側の数本の大木の集団、奥の林、横に伸びる光ったブレードのごとき陽光に光る芝生、全てが美しく調和して収まっている。これだけ多くの緑をバランス良く破綻なく描けるのは経験豊かな松本さんならではの仕事である。
②次に一つのコメントとして、池に映りこむ遠くの風景(樹々と空)をもう少し写実的に表現したい。
③最後に、改善したい点は手前の斜めに走る白い道路、木々の向こうに広がる白い空、これらに変化をつけ、息吹を吹き込ませたい。

喜田祐三さん (風景画と裸婦の油彩画2点)
➀府中の街並みをうまく描いているが、全体的に右傾斜の構図が気になる。
作品のどこかに左傾斜の要素を入れて構図の調子を整えたい。
②右側道路沿いにある、薄いブルーの手すりのようなものは何か?もう少し丁寧に描いた方が良い。
③裸婦の作品について、裸婦のまなざしの方向に何があるのか?一般に裸婦作品の場合、眼差しの方向(この作品では画面に右方向)にゆとりを持たせ、広く取ったほうが良い。
④裸婦が座っている寝台の左端に隙間があるのが構図的に気になる。裸婦・背景ともによく描かれているので、構図上の調子をもう少し検討したらもっと良くなる。

植田千秋さん (風景と花の日本画2点)
➀まず「緑に囲まれて(白川郷)」の作品の方だが、鬱蒼としたヒノキやナラの常緑樹の深山が良く表現されている。精神を込めて木々の1本1本を描き、かつ全体の調和も考えながら描かれている。
②松本さんと同じように、多様な緑を日本画らしい多様な(主として3色)の緑の色彩で表現してある。
③川沿いにある2軒の茅葺屋根の建物と手前の川と河原がここでは異種のモチーフだが、特に河原の石の表現をもう改善したらどうか。大きな石や小さな石を入れてバランスをとっても良いと思う。
④「向日葵」について、2種の花弁(船型と糸型)を持つ向日葵が調子よく表現されている。
⑤背景をモノトーンでなく、右2割程度のところで縦に切り、ブルー系の2種の色彩で2トーン化した作者の意図は成功した。
⑥これだけ重い「向日葵の花」を支える硝子の水槽が弱弱しい。もっと重量感のあるしっかりとした花瓶が好ましい。

(喜田・記)  以上

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2021年7月度 美術サロン報告

去る、7月13日(火)、1年ぶりに対面式の「美術サロン」を再開した。
過去1年数か月、コロナにより実施できなかった対面式の「美術サロン」を再開し出来たことに感激した。
東急目黒線「武蔵小山駅」から徒歩5分の至近距離に位置する「小山台会館」の清潔で美しい会議室を使って行った。
当日は第4次「緊急事態宣言」中ということもあってか、4名のメンバーが作品を携えて集まった。 作品をご覧いただきたい。
まず、

(1) 福室 正さん
6枚の水彩小品を見せてくれた。 新宿御苑の池の水面に映る魅力的な作品1点。
武蔵小山にある「林試の森公園」の風景画3点、そして、川崎市の「東高根公園」の風景画1点。最後に抽象を目指して描いた風景画1点である。
風景画はいずれも手さばきよく描き上げた、いつもの福室さんの作品。しかし、最後の抽象画「壁」は今までの福室さんの殻を破った非常に挑戦的で面白い作品だ。
風景の「壁の一部分」」を切り取り、そこに広がる無限の世界を表現したもの。
福室さんの脱皮と破壊が期待される。

(2) 小倉裕之さん
3体の変な形をした人形が並んでいる。最初に作品を観た時、びっくりした。
小倉さんの説明を聞いて納得した。
「陶器の造形」という雑誌を見た時に「首細・胴体太」の古い壷に魅せられた。これをベースに「和」の世界を造形化できないか考えた。壷を人間に置き換え、日本固有の古典模様(竹籠模様・蒔絵螺鈿模様・格子戸模様)を使って描いてみた。3つの壷を人間に見立てて砂浜に置いてみた。黄土の砂浜、その向こうに広がる青い海、白い雲を背景にしている。
観る者に何を訴えるのか、このモチーフをどこまで追求できるかがこれからの課題だ。

(3) 大塚健嗣さん
五箇山の風景を微細な切り絵で表現した。
ご存じのように誰も真似できないような緻密で正確な表現、近景の大木の枝から垂れる葉の1枚1枚に精鍛込めた色彩を切り抜くことを見ても、そのエネルギーは計り知れない。一方、茅葺屋根や田んぼの水面はシンプルなモノトーンで表現している。
どの部分を細密に切り取り、どの部分をシンプルにモノトーンで表現するかという、細密とシンプルのミックスの仕方は、まさに作者のセンスの良さに他ならない。
感嘆すべき作品だ。

(4) 喜田祐三さん
油彩2点。いずれも昔日の「日本橋」と「横浜運河」の風景画である。
作者の古い(数十年前の)スケッチブックの中から気に入ったモチーフを探し出して、どこにも行けないコロナの1年半、自宅アトリエでコツコツと制作したものだ。
どちらの作品も、構図的にも色彩的にも破綻の無い「安定した」作品だ。    以上


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2021年6月度 美術サロン報告

ワクチン接種が漸く進み始めました。高齢者の35%以上がすでに1回目のワクチン接種を終えました。早く国民の70%が接種を終え、社会活動が以前のように安全で自由な世界になるように、行政は一層の努力をしてほしいものです。
さて、このような状況の中、6月度の「美術サロン」は5月に引き続き、6月20日(日)午後3時~5時、オンラインアプリ(zoom)を使って開催しました。
11名の会員が作品を出品してくれて、サロンにも参加してくれました。
その作品を1点ずつ、zoomの「画面共有機能」を使って各自のPC上で見ながら、事務局(喜田)の司会で合評をしました。
合評の詳細は省略しますが、11名の作品をご覧ください。
楽しく、有益な時間を持つことが出来ました。

(文責:喜田祐三)

・2021年6月「zoom美術サロン」出品作品集(PDF)へ

2021年5月度 美術サロン報告

コロナが一向に収まらず、緊急事態宣言が5月末日まで延長されました。
私達はオンラインでの「zoom美術サロン」を3月に始めて、好評を得ています。
Zoomを使ってのサロンは、「画面共有機能」を使うことによって、参加者全員が鮮明な作品画面をみながら、合評が出来ます。また、画面を拡大することによって、通常の対面サロンでは得られない画面を見ることが出来て、合評会に熱が入ります。
喧々諤々の議論に熱が入り、2時間があっという間に過ぎてしまいました。
今回、5月度「zoom美術サロン」を以下のように行いましたので報告します。
(1) 5月22日(土)午後3時~5時
(2) 参加者は14名、内作品持参者12名、作品数13点
(3) 13点の作品はPDFにて掲示しますのでご覧ください。

・2021年5月「zoom美術サロン」出品作品集(PDF)へ

2021年4月度 美術サロン報告

4月度「美術サロン」として対面形式のサロンが出来ませんので、3月に引き続き、第2回「zoom美術サロン」を4月25日(日)午後3時~5時、20名の参加を得て行いました。
既に2回目になると、開始時間になると参加者がスムースにzoom会場にお集まりになり、予定時間に開始することが出来ました。
今回は参加者20名のうち、作品を掲載された方が18名、作品なしで討論に参加された方が2名でした。
自宅の書斎から気軽に参加でき、自分の作品を仲間に見てもらったり、仲間の絵を見ながら討論できる、「zoom美術サロン」は本当に素晴らしいと思います。
3時から5時までの2時間、大いに作品を語り、合評しつつ楽しい時間を持つことが出来ました。今後は月に1回、工夫を重ねながら、さらに楽しい「zoom美術サロン」を創っていくように努力したいと思います。

今回の参加者は以下の通りです。(敬称略:50音順)
(池川正人)(池田 整)(石川良教)(市川武弘)(植田千秋)(奥村昌之)(川嶋 肇)(粕谷栄治)(喜田祐三)(桑原 裕)(酒井寿紀)(酒井康彦)(庄司逸雄)(鈴木一雄)(建脇 勉)(福室 正)(二村邦子)(松永伍生)(宮本裕子)(若狭孝治) 以上20名

(文責:喜田祐三)

・2021年4月「zoom美術サロン」出品作品集(PDF)へ

2021年3月度 美術サロン報告

コロナにより、集合して行う通常の「美術サロン」が開催できません。
この度、zoomアプリを使用して「オンライン・美術サロン」を初めてトライアルしました。
会員全員に参加を呼びかけました。
第1回目は20名の有志が参加してくれました。
Zoomアプリの「画面共有」機能を使って、同一作品をPC上に見ながら合評会を行いました。
詳細は以下の通りです。
(1)日時:2021年3月27日(土)15時~17時(2時間)
(2)ホスト:事務局(喜田祐三)
(3)参加者は次の通りです(敬称略・50音順)
(池川正人)(池田 整)(石川良教)(市川武弘)(植田千秋)(奥村昌之)(小倉裕之)(川嶋 肇)(喜田祐三)(粕谷栄治)(桑原 裕)(酒井寿紀)(酒井康彦)(鈴木一雄)(建脇 勉)(二村邦子)(松永伍生)(松本 茂)(宮本裕子)(山本達也)以上20名
(4)合評作品:初めての試みでしたので、昨年10月と今年2月に行った2回の「WEB展」に出品した作品を使いました。事前に作品の電子ファイルをホスト(事務局)が集めて、これを「画面共有」機能を使って使用しました。

以下の2つのPDFファイルを掲載しますので、ご覧ください。
➀「zoom美術サロン」の開催について(PDF)
②第1回「zoom美術サロン」出品作品集(PDF)

2020年12月度 美術サロン報告

コロナ感染により今年の「美術サロン」は1月・2月・7月・12月の4回のみになりました。
約3年の長きにわたりお世話になった川崎のマンション「Riverie」はコロナ禍のために今後使用できなくなりました。大塚会員のご紹介で12月から「小山台会館」(東急目黒線・武蔵小山駅)に改称を移すことになりました。12月8日(火)「小山台会館」に7名が集まりました。
以下報告します。

【1】 小倉裕之さん
「善膩師童子」を追求している。9月に開催した本会の「第1回Web展」には「善膩師童子」の油彩画を出品したが、今回は「童子の髪形」と「陰影」を研究するために、ペン画と墨彩を使って3点の習作を描いた。
最終的には 「善膩師童子」の油彩画を目標にしているが、追及のための「こだわりポイント」はいくつかあり、その勉強のためにペン画と水墨にトライ中だ。彼の制作哲学に敬意を表する。見習いたい。

【2】 松本行夫さん
神奈川県秦野市「水無川風景」、橋・建物・水面に映る緑・段差になったところの水の流れ・うららかな川辺の雰囲気に魅力を感じて描いた作品。
気持ちがよく表現されている、細かいところにとらわれなくて、おおらかな筆致で描き上げたところが良い。
改善するとすれば、左手前のコンクリート壁とその向こうの緑草の表現をもっと工夫すべきだとの意見が多かった。松本さんの作品はいつも、説明的でなくて、情緒的なところが素晴らしいと思う。

【3】 大塚健嗣さん
ボスニア・ヘルツェゴビナの「モスタルのトルコ村」である。大きな(P30号)「切り絵」の作品である。
大塚さんの作品はいつも、完ぺきな構図、完ぺきな遠近法、完ぺきな色使い、したがって完ぺきな作品になる。
切り絵でありながら、ある程度のグラデーションを表現し、観る者の目を見張らせるものがある。
水彩画、油彩画に対して、彼は「切り絵」は「紙彩画(しさいが)」と呼んでいる。新しい芸術の確立を目指している。欲を言えば、作品としての面白みを出したい。

【4】 金川敏夫さん
金川さんは「八ヶ岳遠望」をスケッチと写真を使って自宅アトリエで制作した。この絵は「八ヶ岳」が主体か、それとも「八ヶ岳高原の秋」が主体か、が議論の的になった。前者ならば、もっと「八ヶ岳」の主張が欲しい。でも、この作品の中で最も美しく、魅力的なのは作品の下半分の「秋の高原風景」だと思う。 「八ヶ岳高原の秋」を主体として、主従を入れ替えてみると面白い。

【5】 建脇 勉さん
ヌード3点と花1点、すべて「はな・花・華」展に出品したもの。
建脇さんの人物画における現在の「テーマ」は ①人物と空間、②構図と色彩、の2つだそうだ。
そういった眼でこれらの作品を観ていただきたいとのこと。本当に難しいテーマだと思う。

【6】 源馬和寿さん
今年の「吾曜会」展に出品した7作品のうち「南天」「額アジサイ」「ヒマワリ」の3点です。
いずれも力強く、色彩豊かで、マチエールも強く、素晴らしい作品でした。

以上6名、全13作品(PDF)を掲示しますので、ご覧ください。

以上

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2020年7月度 美術サロン報告

新型コロナウイルスの流行で2月度以来、中止になっていた「美術サロン」が5か月ぶりに7月14日(火)に開催された。場所は、いつもの川崎港町の「Riverie」。
電車での移動が懸念され、欠席の人が多かったが、それでも定刻の午後1時には8名のメンバーが集まった。長いコロナ休暇を有効に使って、皆さん、沢山の制作をしたようだ。
8人中7名が近作を持参した。

(1)鈴木一雄さん(油彩2点)
1枚目は横浜の自宅のベランダから描いた風景画と2枚目は見事な朝焼けの中にそそりたつシルエットの富士山。どちらも鈴木さんらしいさわやかな作品だ。
ベランダから見た風景画はしゃれた椅子の背もたれと赤い花のコンビネーションが見事。
ベランダの衝立を少し低くして、遠方の海と町をもう少し表現できるように構図を工夫したらもっとよい、という意見が多かった。朝焼けを背景にしたシルエット富士山はとてもユニーク。

(2)井出勝彦さん(MIXメディア 2点)
人物画研究会で描いたコスチュウムとヌードの作品に手を入れた作品。
井出さんの世界を表現した面白い作品だ。彼はこれらの人物要素を故郷の「浅間山」や「コスモス」と組み合わせて、新しい表現を模索している。彼のライフワークである。
今回の2枚はそれの要素となる材料である。
これからの彼の仕事に注目しよう。

(3)川島 肇さん(油彩画1枚とクレパスによるそのエスキース1枚)
「秋の奥入瀬」である。美しい紅葉、泡立って流れる流れの色、とてもきれいな色の表現に感嘆した。エスキースはDAISOで買った100円のクレパスを使ってカレンダーの裏紙に書いた。
秋の木々も、紅葉した森も、苔むした岩も、勢いよく流れる水も美しく表現されており、参加者は色彩の美しさに感嘆の声を上げた。
エスキースを描いてから、油彩画を描くという手順が作品を良くしているのだろう。

(4)若狭孝治さん(油彩2点)
1枚目は若狭さんが最も手慣れた、初冬の田園風景。里山があり、小川が流れ、農家と思しき家があり、空はどこまでも青く美しい。彼の原風景ともいえる風景画である。
遠くの木立にたつ、黄色と赤の木々がポイントである。構図、色彩、マチエールが完全に調和した傑作。もう一点は新緑が眩しい公園風景。彼の家から歩いて行ける距離にある公園か。
遠くに伸びる小道の先に赤い屋根のあずまやが建っている。道の両サイドから覆われた木々の先に空が開けている。こういう風景だ。気持ちの良い作品だ。

(5)喜田祐三さん(油彩2点)
いつもの喜田さんの力強い表現である。1枚目は豪州ブリスベンの入り江風景。もう一枚は喜田さんが住んでいたシンガポールのチャイナタウン風景。
ブリスベン風景は「黄色い海面」が主人公である。停泊した船で働く船員や対岸の家や森や山は全部脇役である。構図的にもタテ・ヨコ・ナナメとよく考えられている。
シンガポール風景は構図と色彩は面白いが、マチエールが重すぎて、息が詰まりそうだ。
どこかに(例えば空に)空気抜きが欲しいところだ。

(6)植田千秋さん(日本画2点)
1枚は「月光下の藤棚」、満月の下で静かに芳香を漂わせる大きな藤棚。夜の静けさと藤の房が垂れる重さを感じる。素晴らしい出来栄えだと思う。そこに漂う藤の芳香が匂うようだ。
もう一点は「夜の海面に映る厳島神社」、精密に描いた作品である。
2枚の作品ともに夜である。暗い風景だ。暗い中にかすかな光で映し出されるものがある。
夜の雰囲気を出し、外気の温度を観る者に感じさせる、本当に難しいモチーフに挑戦している植田さんに敬意を表する。

(7)大塚健嗣さん(30号切り絵)
初詣でにぎわう「川崎大師の参道から本堂を見た風景画」である。
まず、描写が正確である。次に着物や衣装の柄まで細かく切り絵で表現する、信じられないような表現力がすごい。
切り絵には油彩画に比べると、自由度はなく、手順を考えながら切り込んでいく必要がある制作に対する戦略や、先を読む力も必要である。
大塚さんの作品はすべてにおいて優れている。F30号という大きな作品に圧倒された。

以上        (喜田祐三・記)

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2020年2月度 美術サロン報告

日差しが少し春めいてきた、2月12日(11日が祝日のため12日(水)に変更)、川崎の大塚委員のお世話になるマンション「リベリエ」2階パーティルームで開催。出席会員10名、内出品会員7名でした。

福室 正さん (水彩 2点)
当会の故・前会長中村高章さんの墓前近くのススキの群れを描いた風景画。見事なススキの表現に皆、うっとりしていました。生田緑地のメタセコイアを描いた作品は、メタセコイアの枝のボリュウムにもう少し陰影をつけると絵としての完成度が上がるのではないか、との意見もあり、福室さんも枝と枝との隙間を表現したかったがそのためにボリュウムが減少したのではないかと意見に留意しておりました。

小倉裕之さん (水彩 1点)
新会員の小倉さんは、初めての美術サロンの参加でした。作品は、銚子電鉄の駅を描いた作品で、ノスタルジックな駅舎を、なんとも言えない柔らかな色彩で浮かび上がらせた見事な作品でした。小倉さんは、線路の奥につながる遠近。電線を含めた遠近も含め、風景のなかの奥行を重視したいとのことで、その目的はしっかりと表現されており、清潔感溢れる作品に、皆、うっとりしておりました。

粕谷栄治さん (油彩 1点)
北アルプスの常念岳を左に、小高い丘から眼下に拡がる部落の佇まいを描いた見事な作品でした。その描写も丁寧に描ききっており見るものに、日本の原風景を感じさせるるような傑作と皆、感銘をうけておりました。意見としては、バックの山塊と眼下の平野を分けるブルーの線が強すぎないか。少し自然な感じにした方が完成度が上がるとの意見に粕谷さんも納得しておりました。

喜田祐三さん (油彩 2点)
オーストラリアのフリーマントルの海辺の風景画。明るい海辺の雰囲気を独特の絵の具の厚塗りとボリュウム溢れる技法で描き切った喜田ワールド健在の作品でした。特に雲の表現が見事でした。シンガポールの男の遊び場の建物を描いた作品は、独特の雰囲気がうまく表現されており東南アジアらしさが見事でした。意見としては、建物の左端のわずかな隙間はないほうが建物の広がりが出て良いのではないかとの意見に喜田さんも、迷っていたとのことでわずかなスペースも無視しないで完成度を上げる熱意に皆、感銘を受けておりました。

井出勝彦さん (水彩 裸婦15点)
八つ切りサイズでの裸婦の連作。それぞれのポーズが井出さん独特の変化に富んだポーズとなっており井出ワールド健在でした。例によって線を用い、線で独自性を出す。井出さんの狙いは、まだ実現の途中で、試行錯誤の悩みの中、との井出さんの言葉に、チャレンジ精神旺盛な井出さんに、皆、エールを送っておりました。建脇会員からは大きなサイズ、四つ切でチャレンジすると一つの解決策が見つかるかもしれないとのサゼッションがあり、井出さんも注目しておりました。

植田千秋さん (日本画 1点)
栗と落ち葉を描きこんだ習作2点を合体させた作品。栗と落ち葉を丁寧にきめ細かく描きこんで、モチーフの存在感を見事に描きだした技量は見事でした。ただ、作品としての完成度からするとどうか。例えばそれぞれの影をつけたらどうか。との意見が出ました。植田さんとしてはもっと存在感を追及したいとのこと、植田さんに期待すること大。皆、期待しておりました。

金川敏夫さん (油彩 模写2点)
マネと佐間田敏夫の作品の模写。好きな作品から学ぶことの中で模写は、古くからの手法。金川さんの研究熱心さに皆、打たれておりました。

建脇 勉さん (水彩 1点)
女性の椅子に座りポーズ。建脇さんの作品はいつもそのデッサン力の見事さに驚かされます。紫の衣服を含め手元に置きたい作品と、皆、感じ入っておりました。

次回は、3月10日(火)です。春本番の季節です。多くの会員のご参加をお待ちしております。

(酒井康彦委員  記)

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2020年1月度 美術サロン報告

2020年最初の美術サロンは1月14日(火)午後1時から、「Riverie」2階のパーティルームで行われました。例年に比べて温暖な1月、18名の皆様が集まりました。作品持参者は4名でした。

福室正さん:15号の水彩画2点
いずれも教室で描いた作品です。どちらも、卓上の静物画で1枚はセザンヌも描いた石膏が中心。もう一枚は花瓶に活けられた黄色・赤、白・紫のあでやかな花が中心。
議論は作品の主題(石膏像、花瓶に活けられた花)と脇役(果物やワインボトル)の表現は適切か、背景の処理は適切かの2点に集中。
強い青色のビンが作品を左右に2分しているという指摘があった。背景の壁にかかった風景画が作品を面白くしているとの指摘もあった。一枚の作品をめぐって大いに議論が沸騰した。
福室さんの丁寧な筆遣い、優しい色使いにいつも感銘する。

松本行夫さん:10号の油彩画1点
大船の植物園に仲間と書きに行った時に現場で描いた作品です。画面の上半分は、温室の枠組みとその先に林立する冬のメタセコイアの林を黄色・黄土・赤系で描いている。画面の下半分は垣根と広い芝生と花壇の一部を緑系で描いてある。構図的にも色彩的にも画面が上下に2分されていることに議論が集中。
是とするものは「構図は分断されているが色彩の響きあいで違和感を感じない」
非とするものは「構図がきれいに上下で二分されている、上下をつなぐ何者かが欲しい」
松本さん独特の筆の使い方(マチエール)が作品を暖かく面白くしていて点に感動した。

植田千秋さん:10号の日本画2点
以前、当サロンに出したものをさらに筆を入れ描き込んだ作品。1つは夜の東京駅。もう一つは金色の薄とその繊細な穂の間にかわいい花々を散らせたモチーフ。
ずいぶん絵がよくなった。描きこむことにより日本画もだんだん良くなることを実践して示した。
夜の東京駅は冷たく深いプルーシアンブルーの夜空とオレンジ色の光に包まれた暖かい東京駅がナイフのように鋭利な線で切られた対比が面白かった。植田さんの世界が出来てきたと思う。

喜田祐三さん:20号の油彩画2点
数年前に描いた作品を最近描きなおしたものです。1枚は浅草三丁目の下町風景、もう一枚はオーストラリアの海辺のレストラン。何度も削っては描き、削っては描き、繰り返しただけあって作品が面白くなってきた。構図が良ければ、根気よく描き続けていると作品が面白く、奥行きが出来て良くなってくることを示した。デフォルメの仕方について議論が集中した。デフォルメは計算できるものでなく、沢山の作品を描く経験の中から会得できるものだと喜田さんが言った。

(喜田祐三・記)

次回「美術サロン」は2月12日(水)です。大勢の参加をお待ちしています。

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2019年11月度 美術サロン報告

久し振りの快晴の中、11月12日(火)川崎の京急大師線港町駅下車2分、大塚健嗣委員のお世話になるマンション「リベリエ」2階パーテイルームで開催。出席会員16名、内、出品会員7名でした。

福室 正さん(水彩3点。スケッチ5点)
ワインの赤いビンの横にセザンヌのトルソを置き、手前にザクロを配した静物画。フラットなバックでは、面白くないので少し粗荒々しいタッチにしてみたとの福室さんの意図がズバリ成功している作品に仕上がっており、皆、感心しておりました、ただ、ワインの赤がピンク過ぎないか、との意見が多くありました。花瓶に差したバラの周りにザクロを配した静物画は、柔らかなその色彩がなんとも言えなく良いとの意見が多くありました。浅間の山塊を佐久から眺めたスケッチは、山塊の適確な表現と前景の集落の雑木林の素朴さ、など手慣れた描写力は流石と、皆、魅入っておりました。

鈴木一雄さん(油彩2点)
ドイツ、ベルリンの夜のメリーゴーランドを描いた作品は、華やかなイルミネーションに彩られた楽しい作品でした。夜の闇を濃いブルーの使い分けで表現し深味のある夜景となっており見事な作品でした。ただ屋根のところの灯りに囲まれたガラスの装飾3点がフラットで陰影と奥行を加えるとより良くなるとの意見も多くあり鈴木さんも納得しておりました。東南アジアの民族衣装を纏った女性の人物画。周りの椅子、カーテン、壁面の面など、東南アジアの雰囲気溢れる作品で皆、魅入っておりました。

建脇 勉さん(水彩6点)
建脇さんから冒頭、出品作制作の背景の説明がありました。それによると、一水会展で、ある作品に衝撃を受けた。その絵は画面の上部に、しかも小さくリュックを背負った少女の後ろ姿をポツンと描いた作品でした。どこに衝撃を受けたかというと少女の背中までの奥行きのある空間。そして小さな少女の左右の空間それらの空間によって何とも言えない哲学的寂寥感が漂っているのを感じた。何としてもその空間による効果を取り入れてみたい。建脇さんの言葉にみな感動しました。建脇さんの感性の若さに感動しました。作品もその熱意が感じられるような意にそった清潔で寂寥感あふれる裸婦に仕上がっており、皆、頷いておりました。

喜田祐三さん(油彩2点)
北海道の小樽街並みを描いた風景画。歴史を感じさせる古い建物と手前の道路を歩く人物、それぞれが喜田さんらしい重厚なタッチで描かれた傑作でした、オーストラリアのシドニーでホテルの部屋からシドニー湾を眺めた作品。窓の外には屋根が特長のオペラハウスも望まれ、広がりのある作品になっておりました。窓の外の明るさ、室内の暗さと重厚さ、見事なコントラストで見るものを圧倒する作品でした。

若狭孝治さん(油彩2点)
どちらもツルバラを描いた作品。赤いバラの作品では、画面下部を葉の群れで花を支え、左の横を向いたバラ一輪で花の動きお描き出している。小品ながら完成度の高さは見事なものでした。

植田千秋さん(日本画1点)
制作途中の作品で、夜の東京駅丸ノ内側からの風景画。遠景の高層ビル群と合わせ光の中に浮かび上がる東京駅の表現がきっちりと計算されたような確度で美しく見事で、完成が待たれる作品でした。

井出勝彦さん(水彩6点 写真による)
例によって裸婦にクロスによる線を絡めた6ポーズの作品。次々と新しい表現にチャレンジする井出さんに皆、拍手でした。裸婦の枠からはみ出した裸婦を描きたい。井出さんのチャレンジは、まだまだ續きそうです。

次回のサロン会は、12月10日(火)の予定ですが忘年会も開かれます。喜田事務局長から、メールが行きますのでよろしくのご参加をお待ちしております。

(酒井康彦委員 記)

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2019年9月度 美術サロン報告

今年も残暑とは、とても思えない猛暑の中、9月3日(火)、秋の展覧会の準備でいつもより一週間早く開催されました。出席会員19名、内出品会員4名でした。

鈴木一雄さん (油彩 20号 2点)
スコットランドの北部ハイランドの風景画は、重厚な石造りの橋の向こうの古城、山並みを背景に、メインの前景にお嬢さんの優しいほほ笑みを置いた作品でした。空の色彩を含め陰湿な雰囲気とお嬢さんが不思議な調和を保っている作品に皆、見入っておりました。意見としては、サインの位置がその色彩が目立ちすぎるので右に移した方がよいのではないかとの意見が多くありました。サインの位置も構図上、たいへん重要だと、皆、認識しておりました。ハンガーに掛かった右の衣装、テーブル上の静物、壁に掛かった女性像、靴,椅子、傘。多くの物が、バラバラに置かれ過ぎないか。少し整理をしてポイントを作った方が絵画の完成度が上がるとの意見が多くありました。日常の室内の雰囲気は良くでているのでもう少しの工夫を、との意見でした。

川島 肇さん (油彩 15号 1点)
羽村のカーニバルを描いた作品。主役の女性の踊り子を含め、人物がそれぞれの動きによって、カーニバルの賑わいが見る人に伝わってくる傑作でした。意見としては、主役の踊り子の羽根飾りが、少し弱い。色彩をより強く、羽根の陰影も強くすれば益々魅力的になる、との意見が多くありました。

喜田祐三さん (油彩 8号、6号、4号 6点)
花瓶に差したバラを描いた作品。2点のうち白バラを描いた作品は、重厚な喜田ワールド溢れる中にも、気品に満ちた秀作で、皆、魅入っておりました。赤いバラの作品は、バックの赤とバラの赤が相殺しているので、バックを弱めたらどうかとの意見がありました。キャンバスの黒い縁取りの意味にも意見がありました。ヨーロッパ旅行でのスケッチによる作品4点は、いずれの作品も構図が確りとしていて見ごたえのある作品に仕上がっておりました。特にチェコのプラハの夕景は見事な作品で川面に映る夕日や夕景に魅入る手前の人物の佇まい。皆、唸っておりました。街中を描いた作品では黄色のテントが鮮やかな作品に、1か所ではなく、遠景にもう1か所小さくてもいいので黄色が欲しい、との意見がありました。鮮やかな色彩の使い方にも、工夫の必要性に皆、納得しておりました。

植田千秋さん (日本画 1点)
ロンドンの王立植物園のルピナスを含め、小花の群生を描いた作品。植田さんらしい誠実に丁寧に描きこんでいるが、少し散漫に広がり過ぎているとの意見があり花の分布に変化を持たせ空間も作った方がよいとの意見に植田さんも納得しておりました。完成が待ちどおしい作品でした。

次回の美術サロンは、10月が展覧会月なので、お休みで11月12日(火)となります。お間違えの無いように。多くの会員のご参加をお待ちしております。

(酒井康彦委員 記)

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2019年8月度 美術サロン報告

大型台風の接近で蒸し暑く不安定な空模様が続く8月13日(火)、川崎の大塚健嗣委員のお世話になるマンシオン「リベリエ」2階パーテイルームで、出席会員9名、内、出品会員4名で開催いたしました。

福室 正さん(水彩 8点)
 八ヶ岳、上高地での風景画で大正池の中に、周りの緑にそぐわない特有の起立する枯れ木を描いた作品は、大,小の2点で、大サイズはバックを想像で作画した作品と、バックを忠実に描いた小サイズの作品。皆の意見は小サイズの作品の方が構図の安定性、バックの自然さなどで断然良いとの評価で一致しており、福室さんも納得しておりました。また、赤く紅葉した樹木を描いた作品では、葉の塊と塊との間の空間の表現が難しいとの福室さんの感想に、空間の処理の方法に色々な意見が出されました。技法に対する意見は、皆の制作上の大いに参考になるものでした。このような意見交換もサロン会の特長です。

建脇 勉さん(水彩 6点)
 女性ヌード2点、男性ヌード4点で、珍しく男性ヌードに皆驚いておりました。いずれの作品もそのデッサンは見事な破たんのない構図とフォルムでヌードデッサンの名手たる建脇さんの面目躍如たるものでした。女性ヌードを花で囲った作品は、特に皆、魅入っておりました。珍しい男性ヌードでは、人体のバックの空間の処理に苦労したとの建脇さんの感想に、それをクリアしている出来栄えに皆、感心しておりました。

粕谷栄治さん(油彩 1点)
 所沢のご自宅の近くの小川に架かるコンクリートの橋を中心に置いて、樹木の鬱蒼とした緑のトンネルの先に拡がる明るい空間。時空もどきの空間表現の見事さ。皆、うっとりと魅入っておりました。手前の柳の枝垂れの葉の連なりが少しフラット。陰影をつければ文句なしとの意見と、先の空間をもう少し大きくしたらとの意見もありました。

喜田祐三さん(油彩 4点)
 花瓶に差したバラの花束を描いた作品、テーブル上のポット、カップなどを描いた静物画。いつもの大胆なデフォルムは影をひそめているが、リアルに太い線で存在感豊かに描き切った見事な作品でした。バラの花も一つ一つを丁寧だが力強さもあり喜田ワールド健在でした。ウイ―ンの馬車屋を描いた作品は手前の馬と馬車屋を暗く大きく描くことにより、遠景の街並みが空の色彩と共に明るさがアップされ、遠近のバランスもみごとでした。シンガポールの風景画は、画面を構成する要素の輪郭を太くくっきりと描くことで迫力がより増した傑作でした。

大塚健嗣さん(切り絵)
 大塚さんが教えている切り絵教室での授業の紹介がありました。切り絵制作の過程の順番、重ねた要素の切り分けなど、各工程での注意点など、会員の未知の領域のレクチャーに皆、感心しておりました。色々なアートの紹介なども美術サロンのメリットです。

次回のサロン会は、通常では、9月10日(火)ですが、第65回「日立OB美術会展」(9月30日(月)~10月6日(日))の準備のため、一週間早め9月3日(火)となります。お間違えのなきようお願いいたします。(なお、サロン会の後、全体委員会、及び陳列委員会を行います。喜田事務委員長から委員には詳細連絡がありますので委員は必ずの出席をお願いいたします。)

(酒井康彦委員 記)

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2019年7月度 美術サロン報告

梅雨寒の続く7月9日(火)川崎の京浜急行大師線 港町駅前の大塚健嗣委員のお世話になるマンション「リベリエ」2階パーティルームで開催。出席会員14名、内、出品会員6名でした。

福室 正さん(水彩画 4点)
水牛の頭部をモチーフにした作品2点。バックに拡がる砂漠を背景にした作品は、砂漠の砂地のオレンジとコンクリートのブロックを配した無機質な描写がマッチした明確な制作意図が感じられる良い作品でした。意見としては、下部の台の部分と上の砂地の部分がはっきりしすぎる、オレンジの照り返しを台の境目にも少し加えると広がりがより出るんではないか。との感想が多くありました。椅子に座った女性像の作品は2点。浴衣に包まれた女性のふくよかな存在感が見事で皆、唸っておりました。意見としては、構図が左右で分かれすぎていないか。右下の箱、植木鉢が強すぎて、主役の女性像を食っている。境目を工夫した方がもっと良くなる、などの意見が出されました。

井出勝彦さん(パステル、アクリル、水彩を使用の女性ヌード、風景画)
前回出品作に彩色したヌード。井出さん独特のポーズ集が色を得てより躍動感にメリハリがつき、円熟した井出ワールドの作品となっておりました。山脈を背景にした作品群は、山のボリューム感とそれをより際立たせる手前の緑。特有の線を多用しつつも今回は線が溶け込み見事な作品でした。

松本行夫さん(油彩画 1点)
隅田川を手前に、対岸のビル群。その上に広がる白い雲と間に覗く青空。シンプルな構図ながら気品と格調にあふれた見事な作品に皆、松本さんの今までで一番の傑作と感心しておりました。ただ近景の柵をもう少しキメ細かく描きこむとより素晴らしくなるのではないか、との前向きの意見が多くありました。

植田千秋さん(日本画 1点)
フランスのモンサンミッシエル教会から見下ろした外洋に拡がる引き潮の砂地
に少し倒れた小舟を配した静謐な中にも凛とした風格豊かな見事な日本画となっておりました。植田さんの日本画はポイントのモチーフとそれを取り囲む背景の組み合わせが巧みで見るものを飽きさせないテクニックにいつも皆、魅了させられております。欲を言えば小舟をもう少し大きくしたらどうかとの意見と砂地の干潟と残った海水の表現にもう少し遠近感を強くしたらとの意見があり、植田さんも聞き入っておりました。

金川敏夫さん(水彩画 1点)
モネの有名な酒場のおんなの模写。金川さん流に少しアレンジした習作。新しいチャレンジに皆、感心しておりました。

源馬和寿さん(映像による油彩画)
岩山をダイナミックに描きこんだ山梨県の昇仙峡。いろいろの花を見事にきめ細かく描き分けた花瓶。太く年輪を重ねた大樹の桜。どの作品もよく描きこまれた源馬さんらしい見事な作品でした。

喜田祐三さん(小型のスケッチブックによる風景の色鉛筆スケッチ)
6月の終わりから7月のはじめまでのヨーロッパ(ハンガリー、チェコスロバキア、オーストリア等)旅行でのスケッチ多数。バスの中からなどから描いたもので100点を超えるスケッチに皆、驚いていました。エネルギッシュな行動派の喜田さんらしい旅行のよもやま話にも皆聞き入っておりました。
100点の中から6点を選んで掲載します。

次回は、8月13日(火)です。暑い盛りですが、多摩川沿いの川風に吹かれに来ませんか、多くの会員のご参加をお待ちしております。後、冷え切ったビールもまっておりますよ。

(酒井康彦委員 記)

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2019年6月度 美術サロン報告

寒暖さがまだ収まらない、6月11日(火)、川崎の京浜急行大師線 港町駅前、高層マンション「リベリエ」2階パーテイルームで開催。出席会員8名、内出品会員3名でした。

 井出勝彦さん(水彩画 20点 風景画 3点)
独特のポーズをとらせた裸婦シリーズは、井出さん特有の見慣れた定番のポーズではなくて、ユニークに表現したいとの意図がはっきりと表れた作品でした。そのどれもが新鮮さに溢れた裸婦像となっておりました。意見としては、ポーズの斬新さによって、タブローとしての完成度が今一つではないか。どのようにして完成させるのかとの作者の意図が分からない。よってこの裸婦シリーズは、タブローになる前の部品としては見事だが、完成タブローが待たれる。との意見があり、絵画を構成する素材の部品論に多くの会員の意見があり活気にあふれた意見交換となりました。どの段階で完成作品とするか。絵画における仕上げの難しさに皆、悩んでおりました。風景画は、東京芸術大学構内の建物と立ち木、に山脈を加えたユニークな、空想の風景画。それぞれが見事に融合して違和感のない作品に皆、驚いておりました。

 川島 肇さん(油彩 2点)
雑木林の林道にピンクの女性を立たせた風景画。立ち木の描写が幹と緑も丁寧に描きこまれ、近景の踊子草の群落もかわいらしく、遠近感もしっかりと出ている完成度の高い作品に仕上がっておりました。意見としては、手前の踊子草をもっと白を強調した方が遠近感が強まるのではないか。作者も頷いておりました。

 喜田祐三さん(油彩 2点)
俯瞰で描かれたグリーンの大きな丸テーブルに、果物などの静物を置いて、ピンクのスカーフを敷いてそれらをまとめさせ、視線の角度を変えた構図が見事に成功した作品に皆、感心しておりました。また構図をより引き立たせる色彩の豊かさ。見事でした。バリ島の海岸風景。喜田さん独特の骨太の素材と熱く照り返しの強い砂浜の白さ。人物、ボートなど、素材の影の明確さ。太陽の光の強さを見事に表現した作品でした。空があっさりしすぎている、もっと描きこんだほうが喜田さんの作品らしくなるのではないか、との意見が多くありました。

次回の「サロン会」は7月9日(火)に開催されます。「サロン会」の後、暑気払いパーテーをJR川崎駅前の居酒屋で行います。暑さを吹き飛ばすいい機会ですよ。多くの会員のご参加をお待ちしております。

(酒井康彦委員 記)

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2019年5月度 美術サロン報告

 青葉が最高に美しい5月中旬だというのに、時に小雨がぱらつく重苦しい日、2か月ぶりに、美術サロンを開催しました。いつもより少ない9名が川崎港町の「マンション・リヴェイラ」に集まりました。作品を持参したのは3名でした。低調です。

(1)福室正さん(水彩画8枚)
ヨットハーバーや運河を描いた水のある風景が2枚。いずれも水平線・垂直線・斜めの線が織りなす、安定した構図と写実的に正確に表現した筆致が注目されました。
次の、本会のスケッチ会で行った「新宿御苑」の桜を描いた2枚の作品。この作品も手なれた筆運びと色彩、特に桜の形と色彩の表現が見事でした。
身近いある「花」が2点出品されました。この作品は一気にペンで描き、その上に美しい色彩を施したものですが、特に花や枝の向こう側の表現が見事です。特に「ボケの花」を描いた作品は、主役の花とその先にある沢山の花の表現の対比が見事です。

(2)喜田祐三さん(クレパス画2点、水彩画2点)
クレパスで描いたのは「自画像」と「バリの海水浴場」の2点。 鉛筆の線を残しながら、クレパスを塗って指で伸ばしたり、汚したりして「調子」を出す制作手法の説明がありました。水彩画や油彩画にない、面白いクレパス表現に関心が集まりました。
次に、ヌードのクロッキーは「人物画研究会」で描いたもの、そして、「シンガポール風景」の水彩画でした。風景画では近景の複数の人物は面白く表現されているが、彼らが囲んでいる料理の乗った、大きな円形テーブルの「質感が乏しい」、という意見に喜田さんは納得していました。

(3)植田千秋さん(日本画1点)
植田さんの作品で今迄にない、金泥絵具を多用した「不忍池の枯れ蓮」を描いた大きな作品でした。「不忍池の枯れ蓮」を描くために、最高のシーズンを狙って、不忍池に出向き、写真を撮って、それを元に描いたものです。
手前に折り重なって倒れている蓮の茎と三角形の頭部の表現。中央部から上部にかけて遠くの「枯れ連」を実に巧みな筆さばきと金色の色彩で表現していました。落ち着いた中に時間の流れと空気の匂いが感じられる作品です。
その表現の見事さに皆さんは感心していました。
金泥絵具を使用しても、決して豊臣秀吉のように金ピカにならず、落ち着いた時間の経過を表現したこの作品は秀作です。

次回の「美術サロン」は6月11日(火)午後1時から「川崎港町・マンションリヴェイラ」で行います。多くの参加を期待しています。

(文責:喜田祐三)

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2019年3月度 美術サロン報告

 暖かくなったなと思うと、北風に変わるめまぐるしい季節の変わり目、展覧会の準備の委員会のため第1週に変わった3月5日(火)、川崎、港町のマンション「リベリエ」2階パーテイルームで開催しました。出席会員19名、出品会員6名でした。

鈴木一雄さん (油彩 1点 20号)
 イタリア、ローマのフォロロマーノの凱旋門を描いた風景画。光と影をくっきりと描き分けた凱旋門の質感も含めたたたずまい、見事な作品でした。周りの樹木、バックに広がる丘の上の家屋を遠景に配したその完成度の高さに、皆、感動しておりました。

福室 正さん (水彩 スケッチ)
 八ヶ岳高原の雑木林の紅葉に染まった風景画は、その鮮やかな色彩に皆うっとりしていました。実際には手前の道沿いにある石の連なりを省いている。その狙いは画面にやわらかさが欲しかったため、との福室さんのコメントに時には実際にあるモチーフを除くことも必要と皆納得しておりました。
日光の竜頭の滝を描いた作品では、水しぶきをあげて流れ落ちる渓流の見事さに皆、感心しておりました。意見としては岩にもう少し水しぶきを加えたらより迫力が増すのではないか、との感想に福室さんも納得しておりました。

川島 肇さん (鉛筆での下絵 1点  油彩 1点)
 川に浮かぶ朝の出航を控えた船をメインに描いた風景画。船のきめこまかな描写が見事な作品でした。画面左の川面が広すぎないかとの意見があり、また、その広がりが、画面の半分を占める船の綿密さを救って奥行き感を醸し出しているとの意見もあり見る側の多様性を感じ取っておりました。

喜田祐三さん (油彩 2点)
 猫がいるユニークな静物画は重厚なタッチでモチーフを描き込んだ力作でした。何よりユニークなのが、猫。猫を入れることで静物画が生き生きしてきたのには皆びっくりでした。動くもの、動かないもの。左上の空間に伸びた猫の尾の存在の見事さ。皆圧倒されておりました。
意見としては猫の黄色の「眼」をもう少し大きくしたほうが下に置かれた本の黄色と響き合ってバランスがとれるのでは、との意見に喜田さんも納得しておりました。
フランスのボルドーでの川と橋と舟の風景画。がっしりとした構図に骨太な輪郭。独特な色彩。どれをとっても喜田ワールドにあふれた作品でした。

植田千秋さん (日本画 1点)
 カッパドキアのユニークな岩山に掘り込んだ住居の灯りがともる夕景。夕闇が迫る前の夕焼け空の見事な色彩。どこか静かで、沈み込んだ色彩の灯りの連なり。独特な風景に皆、感じ入っておりました。左上には三日月も入れてその気配りに唸っておりました。

石川良教さん (水彩 スマホ画面での出品)
 中国湖南省の岩の塔の連なりを描いた風景画。起立した岩の間を流れる雲。幻想的な風景画となっており、皆魅入っておりました。イギリス郊外の民家を描いた作品は、竹ペンを使って墨汁で輪郭をとり、色を乗せた作品で伸び伸びした豊かな画面に皆、魅入ておりました。

次回サロンご案内
次回の美術サロンは展覧会のため4月は休みとなります。したがって5月14日(火)です。お間違いのないようふるってのご参加、お待ちしております。

(酒井康彦委員・記)

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2019年2月度 美術サロン報告

昼と夜の温度差に戸惑う2月13日(火)開催しました。
出席会員数は11名、内、出品会員数は6名でした。以下、合評報告です。

植田千秋さん(日本画 1点)
 ヨーロッパのモンテネグロの風景画。糸杉の森に漂う雲が何とも幻想的で起立する糸杉をも際立たせていて、見事な作品でした。その静かな雰囲気に皆、浸っておりました。

松本行夫さん(油彩画 1点)
 秋の井の頭公園の風景。黄色の濃淡が程よく表現されておりました。ただ水面の映り込みで右の部分がフラットになっていないか。もう少し変化をつけた方がリアルになるとの意見もありました。

福室 正さん(水彩画 9点)
 石膏がメインの静物画は、石膏像のくびのひねりが足らないので、不満足との感想が福室さんからあり皆納得しておりました。福室さんの静物画は、モチーフのポジションが少しバラバラでも、それをまとめる表現力で補っており、不思議な清潔感の漂う作品群となっておりました。

井出勝彦さん(パステル画 10点)

裸婦と静物の2つのテーマでいずれも井出ワールドとも言うべき線が躍動する作品でした。その線も今回の作品では、モチーフを邪魔しない半面、少しおとなしいのではないか、との意見がありました。井出さん本人も同じ気持ちだとのことで、もっと躍動感あふれる自由奔放な作品を描き、見る人の心を動かしたい、という意欲満々の宣言に、皆、期待十分でした。

大塚健嗣さん (切り絵 5点)
 テニスの大坂なおみさんを含め、時の人3名の個性溢れる似顔切り絵に皆にっこりしておりました。いつもの大塚さんの切り絵制作上の技術的なレクチャーにも、熱心に聞き入っておりました。

恩田 博さん (水彩 3点)
 淡い色彩の猿ヶ京の風景画2点は、同じような暖色の中にもメリハリがあり不思議な穏やかさに富んだ作品になっておりました。意見としては遠近のメリハリがもう少し欲しい、そうすると画面に深味が出る。恩田さんも納得されておりました。ジャズクラブでの演奏風景は左のドアの赤が強すぎる、また手前の空いている椅子に人が座っていたほうが賑やかで雰囲気が出るのではないか、との意見もありました。絵が醸し出す見るものを引き込ませる雰囲気づくりの大切さに皆感じ入っておりました。

3月の「美術サロン会」は、春の展覧会を控えた「陳列委員会(3月5日)」と日程を合わせ、第1火曜日(3月5日)午後1時からに変更になりました。お間違えのないよう願います。展覧会も間近かです。多くの会員のご参加をお願いいたします。

(酒井康彦委員 記)

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2019年1月度 美術サロン報告

晴天続きの1月8日(火)、2019年最初の「美術サロン」を、川崎のマンション「リベリエ」2階パーティルームで開催。出席会員10名、出品会員3名でした。

喜田祐三さん  (油彩2点)
ドイツの教会の内部を描写した作品は、白い太い支柱が画面構成をしっかりと支え、その間にステンドグラスの窓を配した重厚な構図に、皆、感心しておりました。意見としては、ステンドグラスを、その色彩を含めもう少し強調した方が作者の制作意図がステンドグラスを描きたかったのであればよくなるのではないか、との意見が多くありました。御徒町のジャズパブの店内風景を描いた作品は、ピアノ、ベース、ドラムの演奏とカウンターに座る歌手の女性、演奏に聞き入る客。地下室のパブの雰囲気に溢れた作品でした。ただ意見としては、画面、左の柱が強すぎてくっきりと画面が分かれすぎているのではないかとの意見もあり作者も納得しておりました。客の人物の描きかたもテーブルなどを置いて少し余裕をもたせるとよりよくなる。との意見もありました。

若狭孝治さん  (油彩2点)
水門の作品は、流れる水面の描写が、がっしりとした水門の映し出しを含め見事なもので、皆、魅入っておりました。若狭さんのライフワークともいえる水門の連作は、テーマの特殊性と相まって本会を盛り立てるにふさわしいものの一つとなっているのではないでしょうか。秋の公園の池越しの紅葉に染まった樹木を中心に置いた作品は、柔らかな色彩と、水に映る紅葉も優しく映し出した秀作と、皆、うっとりとしておりました。ただ左下のサインが赤で強すぎないかとの意見も多くありました。作品の完成度としての指摘に皆、納得しておりました。

金川敏夫さん  (地中海旅行のスケッチ)
イタリア、フランス、スペインと船による旅行でのスケッチを帰国後仕上げた作品でしっかりとした安定感のある教会、城跡、街並みなどヨーロッパの雰囲気に溢れた見事なスケッチに仕上がっており、皆、感心しておりました。

次回のサロン会は、2月12日(火)です。春の展覧会を控え、多くのご参加をお待ちしております。

(酒井康彦委員 記)

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2018年12月度 美術サロン報告

4,5日前の小春日和から一転、真冬の寒さの12月11日(火)今年最後の美術サロン会が川崎のマンション「リベリエ」2階パーティルームで開催。出席会員16名、出品会員4名でした。

大塚健嗣さん (切り絵 5点)
 クリスマス飾りのディズニーのキャラクターをテーマにした切り絵5点。大胆な構成で、切り絵独特のメリハリのきいた色彩とフォルムのかわいらしさがいかにも子供たちにも喜ばれる楽しい作品でした。皆も年末を感じておりました。スイスでのスケッチを基にした牛の切り絵は、レストランの屋上に展示された牛の群像を描いた作品で驚くほど微細に切り込まれた切り絵独特の手法に皆、驚嘆しておりました。大塚さんによる切り絵の作り方の説明にも聞き入っておりました。なかなか切り絵を鑑賞することの少ない会員たちにも理解が深まったのではないでしょうか。

池川正人さん (水墨画 1点)
 池川会員は、今年7月に入会され、秋のOB美術展が初出品の会員です。茨城の土浦在住で遠路駆けつけてくれました。作品は、栃木県を流れる思川の川辺に田んぼで毎年7月の第一日曜日に開かれる子供たちの行事を描いた作品。田の中の女の子がいかにも素朴でかわいらしく日本の田園風景らしさにあふれた作品でした。画中に加えられた漢詩は、自作と言われて、皆、驚いておりました。気にいったテーマの絵に自分の感情をこめた漢詩を添える。絵が静、詩が動。これで絵の感動が強くなる。池川会員の水墨画道が分かるような作品でした。

植田千秋さん (日本画 1点)
 オーストリアの丘の上の修道院から眺めた、11月の夕方の風景画。柔らかな樹木の群れの色彩の穏やかさ。決して強い色彩を必要としないこの色彩の見事さ。年末一番の心に響く一枚でした。中心の白い木を小さいながらくっきりと描くことで柔らかさが乱れることを引き締めている。皆、うっとりしておりました。

福室正さん (水彩画スケッチ5点)
 山梨県の甲斐駒ケ岳をバックにした作品。スケッチ旅行でのスケッチなのでじっくりとは時間をかけられない、5分とか10分でのスケッチ画にもかかわらず構図が確りしているのは見事、との意見が多くありました。どっしりとした甲斐駒ケ岳と華やかな紅葉のコンビネーションが素晴らしい作品でした。福室会員の水彩画もいよいよ年季が入ってきたようです。

美術サロンの後、川崎駅前の居酒屋「いろはにほへと」で会員19名による忘年会が開催されました。広い会場と美味しい料理と八海山の飲み放題。今年の制作を振り返っての苦労話やこれからの会の在り方など、話題はあれこれ、和やかな喧々諤々のたのしい忘年会でした。

次回のサロン会は、1月8日(火)に行われます。新年、初めてのサロン会です。数多くの会員のご参加をお待ちしております。

(酒井康彦委員 記)

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2018年11月度 美術サロン報告

 朝晩の気温差に戸惑う11月13日(火)サロン会が川崎の京急大師線港町駅前大塚委員のご手配によるマンション「リベリエ」2階パーティルームで開催。出席会員12名、出品会員5名でした。

(1)福室正さん(水彩の小品6点)
福室さんの水彩画は、いつも水彩の特長を活かした、穏やかな清潔感にあふれた見るものを和ませる作品ですが、今回の作品も、白馬を背景にした見事な作品でした。画面を引き締める立ち木の位置。水田の穏やかな柔らかさ。皆、引き込まれておりました。

(2)松本行夫さん(油彩 1点)
土浦の水辺の風景画。バックの中心に教会を置き、ヨットの係留とアップの舟のホワイト。バランスの取れたヨーロッパの雰囲気溢れる作品に仕上がっておりました。手前左のカバーをかけた船がフォルムから船と認識できないのは惜しいとの意見もあり、空の描写を含め一工夫したらもっと良くなるとの意見が多くありました。

(3)井出勝彦さん(裸婦の試作15点)
水彩、チョーク、クレヨンと多くの画材を駆使した井出さん独自の描写手法に皆、感じいっておりました。今回の作品はこれまでより、具象のウエイトを多くして見るものの理解を助ける点で優れた作品となっており成熟した井出ワールドを皆、満喫しておりました。

(4)喜田祐三さん(油彩裸婦スケッチ 5点)
裸婦の5点で、それぞれのカラフルに分割されたバックを背景に個性的な線描写による裸婦が描かれており喜田ワールド健在でした。

(5)植田千秋さん(水彩 4点)
いつもの日本画と異なり水彩での自画像を含め個性的な作品でした。シンプルに描きたいモチーフだけに注力する植田さんの熱意が感じられて迫力ある作品に仕上がっておりました。

次回のサロン会は、12月11日(火)です。平成最後の12月のサロン会で終了後、忘年会を盛大に行います。川崎駅前の極旨の中華料理店です。ご期待ください。

(酒井康彦委員 記)

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2018年9月度 美術サロン報告

 猛暑も終わりなのかと思わせる少し秋めいた気配を感じさせるひんやりとした中、川崎のマンション「リベリエ」2階パーティルームで開催。出席会員13名、出品会員2名でした。

粕谷栄治さん(油彩3点、3号)
 粕谷さんらしい、気品のある花の静物画でした。中でもひまわりの作品は花の個々の表情がバラエティーに富んでいて小品でも花の魅力に溢れた仕上がりに皆、感じいっておりました。ベースに段差をつけた作品は、その発想が面白いという意見と戸惑いを感じる意見もあり新しい着想の完成度が今一つではないか、期待する、との賛否が分かれておりました。それぞれのガラスびんの表現も色彩を含めてきめ細かく見事なものでした。

喜田祐三さん(油彩3点 10号2点 8号1点)
 例によって、自由奔放でタッチの荒い、重厚な作品でした。固定観念、既成観念に捕らわれないその表現は、具象の中にもユニークな発想があり、その融合を目指す実験へのチャレンジに皆、感心しておりました。

11月度「美術サロン」案内
次回のサロン会は、展覧会もあり、10月は休みで、11月13日(火)になります。川崎の同じ場所、同じ時間で開催されます。
静かな季節の真っただ中でもあり、多くの会員のご参加をお待ちしております。
終わってからの、いっぱい、これがうまい季節ですよ。

(酒井康彦委員 記)

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2018年8月度 美術サロン報告

 台風が続けて来た8月14日(火)、強風の中、川崎のマンション「リベリエ」2階パーティルームで開催。出席会員21名、出品会員7名でした。

福室 正さん(水彩7点)
 座った女性を描いた作品は、淡い色調が優しさを表現していて魅力溢れる作品でした。ただ座り方での足の位置と足の先(くるぶしから先)が弱いのではないか、との意見が多く出されました。またバックのグリーンが強すぎて人物を弱めているとの意見もあり力の置き所の難しさを物語っておりました。
新聞紙上に果物などを置いた作品は面白い構図ですが静物それぞれにもっと陰影をつけてメリハリを強くした方がより立体的になり画面が生き生きしてくるのではないか、との意見に作者も納得しておりました。全体的に今回の作品に共通する点は、淡い優しい福室さんらしい作品ですが、もう少し陰影をつけることで画面が生き生きするのではないかとの意見が多く出されました。
静物個体の位置づけの難しさを物語っておりました。

鈴木一雄さん(油彩 2点)
 ゴーギャンのポスターをバックに描いた静物画では、英文字が強すぎて手前の果物など主役が霞んでしまったのではないか。少し英文字を弱めたほうが奥行も出て迫力が増すとの意見が多く出されました。また、標本の蝶も素材として他のものより異質すぎてどうかとの意見もありました。しかし着眼点はユニークで面白いとの意見もあり、伸びしろの多い作品に皆感心しておりました。

喜田祐三さん(油彩 4点)
 荒々しい中にも計算された躍動感あふれる裸婦像に皆、魅入っておりました。色彩では特に赤の位置づけが巧妙で、みな感心しておりました。
女性の持つ柔らかな曲線も喜田さんの手にかかるとかくも迫力を持つのかと、皆、頷いておりました。

建脇 勉さん(水彩 8点)
 どの作品も完成度が高く、人体を大きなうねりのようなフォルムにしての描写は見事なものでした。個体の描写では、裸婦が一番難しいと言われていますが建脇さんの裸婦はどのポーズ、どの角度からの表現も安定感抜群で安心して鑑賞できる作品でした。

石川良教さん(水彩 20号 (スマホでの作品))
 水の流れを中心に描いた風景画で淡い色調の水彩で涼しげな風景に猛暑を忘れるひと時を頂きました。この作品(20号)は第63回展に出品予定の作品です。スマホ写真でなく、本物を会場で楽しみましょう。スマホによる写真なので今回は作品集に入りません。

井出勝彦さん(クロッキ―裸婦 20点)
 個性的なポーズを生き生きした線で表現する井出ワールドとも言うべき独特の作風で相変わらずの熟練したテクニックは見事でした。

川島 肇さん(油彩 40号のコピー)
 巨木の隆々とした太い根と力強く張り出した枝の表現が迫力満点で小さなコピーですが、40号の大きな画面の期待度も高く、皆完成を待ちわびておりました。

次回美術サロンのご案内
 次回のサロン会は9月11日(火) 川崎のマンション「リベリエ」2階パーティルームで開催します。展覧会前の制作たけなわの時期ですが、意見交換も大事ですので、ご参加をお待ちしております。

(酒井康彦委員 記)

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2018年7月度 美術サロン報告

集中豪雨で甚大な被害が発生した西日本、一方、関東地方は晴天と猛暑が続く7月10日(火)、川崎のマンション「リベリエ」2階パーティルームで開催。出席会員12名、内出品会員5名でした。

福室 正さん(水彩画スケッチ4点)
 静物画3点 人物(女性)1点。ビン2本を中心に果物を配した作品は、きっちりとした輪郭線を含め硬い静物画から柔らかい雰囲気のある絵にしたいという作者の説明があり、面と面の接点を線の換わりとした新しい描法での作品でした。その結果、画面全体に柔らかさが溢れ水彩画特有の雰囲気にあふれた作品に仕上がっておりました。また、新聞紙上に果物を置いて上からの視線で描いたユニークな作品はその斬新さに皆、感じ入っておりました。

植田千秋さん(水彩での試作品と日本画の2点)
 高層マンションの自宅から眼下に広がる雪の積もった冬の家並みを描いた詩情豊かな風景画でした。その視点の豊かさは見るものに感動を起こさせておりました。夕闇が色濃くなって雪をうっすらと纏った屋根の連なり、小さな窓から漏れる灯りの暖かさ、路地に積もった雪の白さ、見事な作品に仕上がっておりました。

喜田祐三さん(油彩 3点)
 自画像の作品は、鏡に映しての制作ではなく自身の持つイメージで描いたとの解説に皆驚いておりました。想像力と記憶力に感心しておりました。子牛に乳を飲ませている母牛を描いた作品は連作中の1点で母牛の眼差しの優しさが印象的でした。稲取海岸の風景画。喜田ワールドを存分に発揮した力作でした。多様な色彩に負けない線の力強さ、海の白さの際立ち、どれをとっても完成度の高さを物語っておりました。

川島 肇さん(油彩1点)
 御岳渓谷のせせらぎを描いた風景画。せせらぎの音が聞こえてくるような良く描き込まれた作品ですが岩に着く苔が初秋にしては緑が濃すぎるのではないか、左上の枯れ木の空間が明るすぎて全体の雰囲気を壊していないか、などの意見が出されました。描き込みたい主役を生かすために何を生かし何を削るか。個性を強調させる秘訣かもしれません。

恩田 博さん(水彩2点)
 町田の公園の風景画。大きな石の立像を中心に配した池からの景色。意見としては近景、中景、遠景それぞれの表現の強さが拮抗していて、雑然としている。一つ一つのモチーフをしっかりと独立して描き込んだうえで全体像を決めていくことで、まとまりが出来てくるのではないか、との意見が出ておりました。六義園の風景画は中央の樹木の枝の広がりが空間(穴)に見える。バックの木立の連なりが山並みに見える、などの意見が出されました。風景を構成しているのは個の集合である、と見ると自然と解決策も見えてくるのではないか。色彩の豊かさを引き立てることの重要さはフォルムの表現の適確さに通ずるとの意見も出されました。

次回のサロン会は、8月24日(金)となります。
第2火曜日の8月14日(火)から変更になっておりますので、お間違いのなきようご注意ください。
8月24日は13時から「美術サロン会」を行い終了後、10月1日から開催の第63回「日立OB美術会展」の準備のための全体委員会を開催いたします。
委員の会員の方は必ず出席されますようお願いいたします。

(酒井康彦委員・記)

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2018年6月度 美術サロン報告

台風が房総半島沖をゆっくりと北上中で変わり易い天候の中、6月12日(火)、川崎のマンション「リベリエ」2階 パーティルームで開催しました。出席会員7名、出品会員4名でした。

喜田祐三さん(油彩 10号 4点)
 赤牛を描いた作品は、京橋にあるレストラン・ビストロの「赤牛木像」をヒントに制作(3点)したもので、重厚な赤とポーズの迫力ある赤牛に皆、魅入っておりました。今秋の展覧会のテーマとして、まずモチーフを設定して、好みのアレンジメントで表現したいとの意気込み通りの作品でした。ライオンの作品は、三越本店入口の「ライオン像」を意識しての作品で、満月をバックに少し憂いをおびた顔が見事に描かれておりました。ただ意見としては、たてがみがそろい過ぎている、シンプルすぎる、たてがみをもう少し、たてがみらしくリアルに描いた方が、迫力が増すのではないかとの意見がありました。写実とデホルメのバランス、その難しさを論じあっておりました。

松本行夫さん(油彩 10号 1点)
 横須賀の駅前から海越しに見た風景画。船、防波堤、堤防、マンション、バックの山、構図的には、奥行きのある広がりを表現できる作品ですが、残念なことにモチーフの個々の表現が中途半端で、判別しにくいとの意見が多く出されました。松本さんも視点の設定に少し無理があって描くのに大変苦労したとのこと。視点の決定の難しさに皆、思いをはせておりました。

井出勝彦さん(水彩 鉛筆 23点)
 山塊を描いた7点の水彩画は井出さん独特の線を、自由奔放に見えて、実は計算されているタッチで、描いていて、山のフォルム、色彩がユニークで深味のある作品でした。何を描くかではなく、どう描くか、そこにある色彩ではなく独自の色彩を加えたらどんな効果が出るか。井出さんの挑戦に皆、感心しておりました。ヌードのデッサン(15点)。個性的なポーズの中にも、人体の持つ柔らかさ、ふくよかさが線の太さ、強さで見事に表現された傑作揃いでした。また、モチーフの周りの汚し方も、ちょうどよくあっているとのユニークな着眼の意見もあり、会員同士の意見交換の幅広さを物語っておりました。

福室 正さん(水彩 スケッチ 13点)
 箱根の風景画。何でもないような風景も少し視点を変えると、描きたくなる風景に見えてくる。箱根にも名所以外に良いところがたくさんある。箱根に通いなれた、福室さんらしい解説の後に、作品を見るとなるほどと、みな頷いておりました。柔らかい、親しみやすい、心和む風景画を味わった後に、箱根スケッチ旅行の提案が福室さんからあり、スケジュール表をそれぞれ確認しあっておりました。近日中に事務局から、皆さんにお誘いがあると思います。

次回のサロン会は7月10日(火)です。梅雨も末期で暑い盛りと思われますが、こういう時こそ、絵を持ち寄って意見交換し、絵心を養うチャンスですよ。後の冷えたビールのうまさ。こたえられません。多くの会員のご参加をお待ちしております。

(酒井康彦委員 記)

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2018年5月度 美術サロン報告

2か月ぶりのサロン会が梅雨の走りを思わせるような小雨の降る中、大塚会員のお世話になる川崎のマンション 「リベリエ」2階のパーティルームで開催されました。出席会員14名、出品会員5名でした。

粕谷栄治さん(油彩 2点)
 妙義山をメインにした風景画(8号)は山塊の色彩がユニ―クで重厚さのなかにも暖か味があり、また中景、近景の村落のたたずまいや雑木林の表現もラフな中にも的確な存在感のある見事な作品でした。安曇野の風景画(4号)はゆったりとした背景の山の前景も味のある作品に仕上がっておりました。近景のあぜ道を含めもう一工夫あるともっと良くなるという意見もあり、風景画の遠近感、空間表現の適確さが求められておりました。

喜田祐三さん (水彩 4点)
 久しぶりの水彩画で、喜田ワールド健在の作品でした。いずれの作品も自由奔放な色彩の乱舞と個性的な構図で見るものを活性化させるに充分な作品で皆、その個性に魅入っておりました。

石川良教さん(水彩 5点)
 掛け軸用的な縦長の作品4点と額入り1点の5点でした。いずれも淡い色調と画面の形に合わせた大胆な構図が際立っておりました。意見としては色彩に少しメリハリをつけたら迫力が増すのではないか。いずれにしても独特な雰囲気を持つ作品で見事でした。

松本行夫さん(油彩 1点)
 城ヶ島の風景画。手前の波打ち際の岩の塊のあっさりとした表現の中にもしっかりとした質感と見事な立体感で皆、唸っておりました。ただ、遠景の赤い灯台が高すぎるのではないか、という意見が多くあり風景画における遠景のウエイトの難しさを皆、感じ取っておりました。

植田千秋さん(日本画 1点)
 伊勢神宮の参道を描いた作品(10号)。前回出品の手直し作品で、抜群に完成度が高くなり皆、魅入っておりました。斜めの太い樹木のコケ蒸した質感。木漏れ陽の表現の適確さ。手前の樹木と参道の奥の樹木との空間のとりかたの見事さ。どれをとっても大胆な構図にふさわしい作品でした。

次回のサロン会
6月12日(火)です。梅雨のただなかになっているかもしれませんが、梅雨を吹き飛ばす迫力と魅力にあふれた作品を期待しております。多くの会員のご参加をお待ちしております。無礼講で楽しい会話のアフターも待っておりますよ。

(酒井康彦委員 記)

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2018年3月度 美術サロン報告

 3寒4温に戸惑う平成30年3月13日(火)13時より川崎の京成大師線「港町」駅前、マンション「リベリエ」2階パーティルームで開催。出席会員17名、出品会員4名でした。4月の春の展覧会の準備を兼ねたサロン会で、後委員会も行われました。

大塚健嗣さん(切り絵 1点 20号)
 鶴岡八幡宮の多くの参拝客を手前に豪華な社殿を見事な切り絵の技法で表現した力作でした。これから展覧会に合わせるため、最後の仕上げに取り掛かるとのことで、完成作品を心待ちするに充分な作品で、皆驚いておりました。

福室 正さん(水彩 2点)
 箱根仙石原の駐車場からの秋の風景画。手前のススキ、紅葉に染まる樹木、緑濃い常緑樹、バックの山並み。穏やかな中にも、色彩をくっきりと浮かび上がらせた作品にほっとした空気が会場に流れておりました。また、長瀞の渓流を描いた作品は、ブルーの濃い流れ、岸辺の岩、その上の紅葉をまじえた木の群れ。
それぞれの適確さ。どれをとっても小品ながら完成度の高い作品でした。

喜田祐三さん(スケッチブックによる水彩画)
 伊豆の稲取の港のスケッチで大きな構図の取り方。点描風の色彩の取り方とタッチ。どれも喜田ワールド健在でした。サッとスケッチする特長がよく表れていてスケッチする際の心得も勉強になりました。鉛筆でのスケッチの際の線を残して修正する際は、その上に行う技法もしっかりした構図の取り方の参考になりました。ほかに、ニコライ堂、シンガポール、静物の油彩画。それぞれ安定感のある構図と色彩で見ごたえのある作品でした。その他に、喜田さんが指導する「元気に百歳」クラブの第一回スケッチ展の紹介があり幅広く活躍する喜田さんに皆感心しておりました。

恩田 博さん(油彩 20号 1点)
 木製のピエロの人形を中心に様々なメルヘンチックなモチーフを散りばめた作品。個性的な人形をおもちゃ箱をひっくり返したようなユニークな構図で皆、楽しんでおりました。色彩は豊かで、それも意外と重厚でヴィンテージ感すら漂う見事な作品でした。

次回のサロン会は、展覧会のため4月は休止。5月8日(火)となります。多くの会員のご参加をお待ちしております。

(酒井康彦委員 記)

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2018年2月度 美術サロン報告

まだまだ風の冷たい2月13日(火)、川崎の「リベリエ」で2月のサロン会が開催されました。出席会員9名、作品持参会員5名でした。

喜田さん(油彩5点)
 オーストラリアのパ―スの居酒屋の店内風景画。1月のサロン会に出品した作品のリメイクでした。全体的に印象としては店内の人物を含めた要素が均等にばらまかれていて、散漫になったのではないかという意見が多く出されました。ポイントになる人物群を強調する、手前のテ―ブルの人物を大きくするなどのメリハリをつけると、画に心地よいリズムが生まれるのではないか、雑然とした要素をまとめ上げる工夫の難しさを、皆、話し合っておりました。ほかの作品はいずれも喜田ワールドにあふれた力作で皆、頷いておりました。

松本行夫さん(油彩10号)
 光が丘の住宅街の風景画。家並みに当たる光とその影の表現が見事でした。ただ一つ残念なのは、下半分が遠近、質感、色彩を含め弱い。上半分の重量感溢れる家並みを支えていない、残念だという意見が多く出されました。

藤本元明さん(水彩6点)
 人物画はどの作品も柔らかなタッチの中にも、しっかりとした構図と穏やかな色彩が、相変わらず見るものを和ませる作品となっておりました。研究熱心な藤本さんらしく、水彩絵の具と紙との相性など、技法の蘊蓄もあり、水彩画を描く会員にはたいへん勉強になりました。サロン会の良いところは、ざっくばらんに新しい表現技法などを先輩会員から学べることができる事も多いにあることです。

若狭孝治さん(油彩2点)
 犬吠埼の波打ち際から灯台を望んだ風景画。打ち寄せる波とそれを受ける岩塊の見事な表現に皆、唸っておりました。それぞれの色彩を含め完璧の出来栄えでした。床に置いたひまわりの作品。ひまわりを床に置くという発想がユニ―クで皆、驚いておりました。花の表現は細かいところまでしっかりと表現されておりさすが若狭さんと、感心しておりました。

植田千秋さん(日本画1点。水彩習作1点)
 伊勢神宮の参道の風景画。参道の大木を手前に斜めに大胆に置いた構図に皆、驚いておりました。緑の葉の表現に、もう少しメリハリをつけるとより画面に奥行きが出るのではないか、との意見があり作者も納得しておりました。大胆な構図にチャレンジすることも、画風を広げる大切なこと、と皆、頷いておりました。

井出勝彦さん(裸婦のクロッキー 40点)
 井出さんの長年にわたりチャレンジしているモチーフの裸婦とそれにまつわるラフな線の動き。ユニークな描法に、皆、改めて感心しておりました。クロッキーがタブローとして成立するか、という意見がありましたが、クロッキーにはシンプルな視角の原点があるのではないか、とするともっとクロッキ―を大事にしたいと感じました。展覧会にも、当会の「人物画研究会」で描いているクロッキーコ―ナーを設けては、との意見が再度、提案されました。

次回のサロン会は3月13日(火)同じ「リベリエ」で開催します。展覧会を控えてのサロン会ですので、出品作品の意見交換など十分活用できますので、多くの会員の参加をお待ちしております。

(酒井康彦委員 記)

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2018年1月度「OB美術サロン」報告

平成30年、最初のサロン会が1月9日(火)、川崎の「リベリエ」2Fのパーティルームで開催されました。それまでの寒さが嘘のように、気温が17度と、春先のような暖かさの中、出席会員12名、出品会員4名でした。

喜田祐三さん (油彩4点)
シンガポ―ルの風景画。例によって重厚な色彩と自由奔放に見える描法による喜田ワールドは、健在でした。
空の色彩処理も素晴らしくますます熟してきた画風に皆、感心しておりました。ドナウ川の風景画。塔を中心に川沿いの道、そして人物、右手に石積みの高い塀,その上の立ち木。しっかりとした構図で見ごたえのある作品となっておりました。西オーストラリアのパースの居酒屋の店内を描いた作品では、カウンターを前にした人物描写に意見がありました。着衣の色を、もっと派手にしたほうが、居酒屋の雰囲気が出るのではないか。それにしてももっと大きな画面でこの絵を見たいとの意見が多く、喜田さんも頷いておりました。

石川良教さん (水彩3点)
サロン会への出席、出品が初めての石川さんから水彩画を学び始めたいきさつなどの苦労話があり、人柄の滲み出た初出品でした。
長野県の山小屋の雪景色を描いた作品は、見事な作品でした。ただ、立ち木、雪の陰影など、もう少し強めると迫力が増すとの意見には、石川さんも頷いておりました。

藤本元明さん (水彩6点)
人物画はどの作品も柔らかなタッチの中にも、しっかりとした構図と穏やかな色彩が、相変わらず見るものを和ませる作品となっておりました。研究熱心な藤本さんらしく、水彩絵の具と紙との相性など、技法の蘊蓄もあり、水彩画を描く会員にはたいへん勉強になりました。サロン会の良いところは、ざっくばらんに新しい表現技法などを先輩会員から学べることができる事も多いにあることです。

粕谷栄治さん (スケッチと油彩の習作)
安曇野の風景画。完成までにまだまだ手を入れるとのことですが、近景、中景、遠景と見事に構築された作品でした。ただ、中央の画面を縦に2分割するような道の大きさ、位置については、様々な意見がありましたが、最後は絵は作者の描く完成作品に納得することと、意見が収束いたしました。

様々な意見、サゼッシオンのあるサロン会の面目躍如たる新年のサロン会でした。
サロン会終了後、川崎駅前の中華料理店での有志による新年会が和気あいあいと行われました。ここでも活発な意見交流があり、今年の絵画制作の成功を誓い合っておりました。

次回サロン会は、2月13日(火)です。多くの会員のご出席をお待ちしております。

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2017年12月度「OB美術サロン」報告

平成29年もあと1か月弱となった12月12日(火)、今年最後のサロン会が川崎の大塚会員のご好意による「リベリエ」2階のパーティルームで開催されました。
出席会員17名。出品会員6名でした。喜田委員により、新会員の山本達也さんの紹介がありました。山本達也さんの作品が提出されました。

●山本達也さん、油彩画1点。梨の静物画で、シンプルな構図ながら端正な色彩とこまやかなタッチは、初めて目にする会員を驚かせる見事な作品でした。

●植田さん、日本画2点。今年の7月末の上野、不忍池のハスの花を描いた作品。柔らかなハスの花の輪郭線の描写の繊細さ。ハスの葉の重なり合った色彩の陰影の深さ。どれを取っても隙のない作品でした。

●川島さん、油彩画2点。八ヶ岳の赤岳をバックに高原の道路を走るオートバイに乗る川島さん。川島さんらしいモチーフに皆、にっこりしていました。この風景の中にオートバイがじゃまじゃないか、しかも赤、という意見あり。風景の中の動くもの。処理の難しい絵になっているのは事実のようです。

●喜田さん、油彩画5点。重厚なタッチの裸婦の連作は、前回提出の作品に手を加えたもので、主役の裸婦がより明確になっており、メリハリのきいた作品に生まれ変わっておりました。次に源氏物語絵巻をモチーフにした喜田さんらしい新しいテーマへの、チャレンジでした。平安時代の雰囲気を重厚なタッチで描き切る試み。冒険心豊かな喜田さんならではの試み。どんな展開をこれから見せるか皆期待を語り合っておりました。

●井出さん、(水彩 鉛筆 パステル 40点)。裸婦と静物、風景と静物、など、異なるモチーフを組み合わせてコラボレーションさせる試みにチャレンジしている井出さんらしいユニークさが大溢している作品群で、その迫力に圧倒されておりました。

●松岡さん、油彩画1点。横浜の「港が見える公園」の風景画。明るい空、白い雲。白とオレンジの建物。緑豊かな樹木の佇まい。どれをとっても明るく澄んだ空気に満ち溢れた作品に皆、浸っておりました。今年一番の寒気が来ている外界を忘れさせる1点でした。
提出された作品をご覧ください。

今回は今年最後のサロンでしたので、終了後、川崎駅前の居酒屋「かまどか」において、24名の参加のもとに「忘年会」を開催しました。
約2時間半におよぶ楽しい歓談風景を添付しますので、こちらもご覧ください。
来年(2018年)もよろしくお願いします。

(酒井康彦委員 記)

次回のサロン会は、1月9日(火)です。新年のスタートです。多数の会員のご参加をお待ちしております。

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・2017年「忘年会」(川崎・かまどか)PDFへ

2017年11月度「OB美術サロン」報告

去る、11月14日(火)、肌寒い小雨に煙る六合川を眼下に望む川崎の「リベリエ」2階のパーティルームで11月度「OB美術サロン」が行われました。出席者は9名、出品者は3名でした。

●まず、川島さん。木炭による着衣の女性を描いた習作2点。
2点とも、木炭の特質を生かした力強いタッチでの表現は見事でした。作品は習作というより立派な完成作品でした。輪郭を明確に表現したその的確さ、女性の表情と着衣との一体感も皆さんの納得を得るものでした。

●次に、喜田さんの油彩作品5点でした。
まず、浅間山をバックに佐久の家並みを描いた、平凡な風景画のモチーフでしたが、雄大な空間を広々と描きながら、重厚な質感でまとめ上げた秀作でした。
次に窓外に浅間山を望みながら窓際のベッドに横たわる裸婦を描いた作品。窓越しのウエイトが重すぎるのではないか、という意見がだされ、喜田さん自身も納得していました。しかし、多彩な色彩を駆使した裸婦のボリュームある表現に、皆さん感嘆しておりました。次回、皆さんのアドバイスをベースに修正した作品を持参するとのことです。
また、オーストラリアのパース市のショッピングセンターの重厚な建物を正面から描いた作品。西豪・フリーマントル港の風景。御茶ノ水のニコライ堂の秋を描いた作品。
それぞれが相変わらずの喜田ワールドへの誘いに、皆さん酔っていました。

●最後に、建脇さんの裸婦(水彩)8点。
2013年から2017年までの4年間にわたって、年次ごとに制作課題を克服してきた作品の流れを8枚の水彩画作品で説明してくれました。
一つの課題は裸婦の皮膚の色彩を如何に深く表現するかという課題。
二つ目は、描いた裸婦の向こう側に手が回るように、立体感を持って裸婦を表現するという大変難しい課題。
そして、三つ目は、対象物のない空間を如何に空気感を出して表現し、裸婦の存在を助けられる表現ができるか、という課題。
これらの難しい三つの課題を克服すべく、真摯に取り組んできた建脇会員の制作姿勢は、皆に大きな刺激を与えてくれました。また、手慣れたデッサンの的確さと共に、私たちが学ぶ多くのお話がありました。

●今回は、少人数でのサロンでしたが、熱心な意見交換が行われた意義深いサロンでもありました。掲載した出品作品をご覧ください。

●次回は12月12日(火)午後1時からです。今回と同じ、川崎の「リベリエ」で開催します。12月は今年最後のサロンですから、サロン後に、午後3時から、恒例の「忘年会」を開催します。
詳細は事務局から後日、連絡いたします。多数のご参加をお願いします。

(酒井康彦委員 記)

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2017年9月度「OB美術サロン」報告

第61回「日立OB美術会展」を10月に控え、残暑厳しい9月12日(火)午後、川崎の「リベリエ」2階のパーティルームで美術サロンを開催、展覧会の準備で追われる委員を含め15名の出席でした。作品を持参した会員は4名でした。

●まず、鈴木一雄さん(油彩、1点)。
カナダのモントリオール市セントローレンス河畔の風景画。対岸の中心に建物を配し、左右に大きな樹木とライトポールを置き、手前にカモメを2羽遊ばせたシンメトリックな構図。全体的な意見としては、建物をもう少ししっかりと書き込む、カモメの配置も一考の余地がある、樹木も枝を含めもっと細かい描写が必要との意見が多く出されました。

●次は、松本行夫さん(水彩、2点)。
まず扇風機を大きく横位置に置き、左下に小瓶を配したユニ―クな構図。斬新なレイアウトだが、画面が窮屈。バックの処理の仕方で空間を表現できるのではないかという意見を含め、瓶がゆがんでいる、などの指摘がありました。
もう一枚の花瓶に差したバラの静物画は、茂るような沢山のバラの花弁は実に上手に表現されていました。しかし、花瓶の絵柄の朱色が鮮やかすぎるので、バラの色が、くすんでいる、抑えたらどうかとの意見でした。また、背景の配色の工夫、葉の色もより鮮やかにしたほうがバラが引き立つとの意見でした。

●喜田さんの作品は油彩5点。
「オーストラリア・パース市の赤十字病院」この作品はレンガの建物と手前の人物を配した作品。他の4点も濃厚な重厚感、存在感にあふれた作品でした。「シンガポールのラッフルズホテルの中庭」も重厚でしたが、圧迫感が無いのは、空間の取り方のうま味では、との意見に納得しておりました。そのほかに、人物画研究会でデッサンしたものを油彩(F10)に描いた「寝台の裸婦」ほか、風景2点でした。

●最後に井出さん、(F4号の紙にマルチメディアで多数)。
井出さん独特の線を縦横無尽に這わせた山と静物、そしてヌード。それぞれの要素を組み合わせて新しい世界を表現したいという井出さんの願いが、作品に現れる予感がする力作ばかりでした。

●次回のサロン会は、10月は、展覧会のため休会です。
したがって次回は11月14日(火)13時、同じ場所での開催となります。多くの会員のご参加をお待ちしております。

(酒井康彦委員 記)

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2017年8月度「OB美術サロン」報告

台風の心配も遠のき、ますます暑さが増した8月8日(火)、川崎市港町の「Riverie」の2階「パーティールーム」で出席会員9名、作品持参会員4名で行われました。
10月2日からの展覧会を控え、熱心な意見交換会となりました。

●まず、川島肇さん(油彩)。
バラを描いた作品(3号)は、メインのバラ3輪の描写を生かすための、他の3輪のわき役のバラに注目が集まりました。メインとサブの役割が果たす画面効果に、意見が多く集まりました。背景も明暗を一工夫すると、よりバラが生きてくるという意見もあり、メインを引き立てる背景の表現の重要さも議論の的になりました。
奥秩父の両神山の風景(6号)。朝焼けに映える山塊を見事に描ききった力作でした。
ただ、惜しむらくは雲が少し重たい。もう少し、雲の色彩、形、量を工夫し、軽くしたらどうかという意見が多かったようです。雲の描写の難しさを皆、感じ取っているようでした。

●次に、井出勝彦さん(水彩と白色のチョークによる作品)。
まず八ヶ岳の風景画(2点)。風景画と言うより、井手さん独自の山岳画というべき作品で、がっしりした構図と、独特の色彩による風格を感じさせる見事な作品でした。
浅間山の風景画も同様に、浅間も大きさを、力いっぱいに感じさせる作品となっており、皆さん、魅入っておりました。このほかにヌード、静物などがあり、これから新しい境地にチャレンジする意欲に満ちた作品でした。

●次に、岡行里さん(油彩を写真に撮ったもの3点)。
広がる富山湾と彼方の立山連峰。間の島々。ゆったりとした広がりの中に、それぞれを的確に配置した構図が見事でした。
豊島園のメリーゴーランドを描いた作品。それぞれの要素をバラバラにして、中心の建物の周りに再配置した面白い作品でした。想像力を駆使して、メリーゴーランドの楽しさを表現する、新しい発想の作品で、皆、強い関心を寄せていました。具象・抽象などのジャンルにとらわれない自由な表現。これもこれからますます、必要になってくる予感がする作品でした。

●最後に喜田祐三さん(油彩)。
トウモロコシ畑からの風景(10号)。先月のサロン作品を手直しした作品。トウモロコシが見事に生き返ってきました。低い視線からの、遠景の建物、堤防の直線。それぞれが自己主張を完結されていて、完成度の高い作品となりました。
シンガポールの風景3点。エキゾチックな南国の風景を喜田さん独特の重厚な質感と色彩で描き切った3点でした。喜田ワールドに磨きがかかってきたようです。

以上   
(酒井康彦委員、記)

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2017年7月度「OB美術サロン」報告

大塚会員のご尽力により、彼のお住まいの川崎市川崎区港町のマンション「RIVERIE」の2階「パーティルーム」をお借りしての最初の「美術サロン会」を7月11日(火)、猛暑日の続くなか、開催しました。
出席会員16名、7名の会員が18点の作品を持参しました。
いつもにもまして熱心な意見交換となりました。

●まず鈴木一雄さんの15号、10号の油彩2点。15号のフラメンコ衣装の女性の座像。衣装を含めデッサンがしっかりしていて、安定感のある座像でした。ただ、バックが部分的に明るさの強いところがあり、座像を弱めているのではないか、という意見がありました。主役を際立たせるバックの処理の難しさを、皆、感じておりました。
10号の雉を中心に置き、バックにクジャクのポスターを配した作品も主役の雉が弱く、より陰影を強く、質感も追及して主役らしく目立たせる方がよいという意見が多く寄せられておりました。

●次に粕谷さん。油彩2点(6号)。妙義山塊をバックに、桃の花、桜の花を描いた手慣れた安定した表現で、皆、魅入っておりました。

●中尾さん(油彩2点、6号)。まず、北海道(陸別)の鉄道の線路と駅舎。奥行と広がりのあるメルヘンチックな雰囲気にあふれた見事な作品でした。オホーツクの夕焼けは、迫力のある夕焼けの空の表現に圧倒されました。惜しむらくは、グリーンの陸地と近景の森の色彩に一工夫あると、より夕焼けが生きるとの意見に皆、納得しておりました。

●次は藤本さん。水彩5点と石膏のデッサン1点。いつもながら静物画の果物の質感の見事な表現は、水彩の特質を存分に生かした傑作でした。皆、魅入っておりました。

●植田さんは、日本画1点。桜の古木に芽吹いた枝からさく可憐な桜の花。装飾的に描いた成熟した作品に仕上がっておりました。植田さんの日本画の腕が上がっていることを実感いたしました。

●喜田さんは、油彩4点。シンガポールの海、橋、建物、手前の人物。いつもの手慣れた素材を、確りとまとめ上げた構図のうまさに、皆、うなっておりました。ただ、全体的に色の濁りが気にかかるとの意見が出て、納得しておりました。次もシンガポールで、通りの屋台と人物、車。赤いテントがアクセントになり、画面を引き締めており町中の雰囲気溢れる作品に仕上がっておりました。3点目は多摩川べりの介護施設の庭のトウモロコシをユニークなレイアウトで表現した作品。新しい表現にチャレンジする喜田さんらしい仕上がりでした。

●最後に恩田さん。油彩1点。帝釈天の鐘つき堂をバックに参道の屋台を描いた作品。鐘つき堂をしっかりと描き、屋台と人間の柔らかさ、その対比が見事に表現された傑作でした。

次回は同じ会場で8月8日(火)に開催いたします。
昼食持参で12時から食事、歓談。13時から16時、意見交換会を行います。会場は、多摩川を見下ろす絶景ポイントの会場です。多くの会員のご参加をお待ちしております。

(酒井康彦委員・記)

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2017年6月度「OB美術サロン」報告

梅雨入りしても、蒸し暑さとは裏腹に小雨の中、肌寒い6月13日(火)、サロン会場としては最後となる東陽町の日立物流「サン&サン」クラブで開催されました。出席会員13名、出品会員5名と、多くの会員のもと、熱心なサロン会になりました。

●若狭さん(油彩2点) 横利根こう門の風景(4号)小品ながら、若狭さんらしい、しっかりした構図と色彩に皆、感心しておりました。意見としては背景の桜の描写にもう少し変化をつけたら、という意見があり、50号など大きな画面にしたらまた違った良さが出るのではないか、という意見に納得しておりました。横利根こう門の近くの丘の風景(3号)絵本のなかのワンシーンを彷彿とさせるメルヘンチックな風景画で整然と並んだポプラ並木と東屋とベンチとなんとも清々しい風景に皆、なごんでおりました。並木の配列に間隔を少し違えてみたらもっと良くなるのではないかという意見がありました。

●粕谷さん(油彩2点)安曇野の桃源郷の風景(6号)、手前の桃の木の群れとバックの山とのバランスもよく桃の柔らかさがよく表現された粕谷さんの狙いどおりの作品でした。意見としては地面を少し硬くしたらどうか、よりしっかりするとの意見でした。やわらかいものは、硬いものの脇に置くとより強調されてよくなると熱心な感想でした。

●井出さん(水彩、ペン、チョウクの混合の5点)3点は浅間山をメインに描いた風景。井出さんらしい躍動感溢れる線と面。その色彩の重厚さに、皆、圧倒されておりました。独特な表現に、いよいよ磨きがかかってきたようです。静物画(2点)ビンが少し右に傾いた表現に動きが感じられて静物の中の動きに感心しておりました。もう1点は、花の表現がユニークで井出ワールドともいうべき表現の自由闊達さは見事でした。

●関根さん(水彩3点)ローテンブルク(ドイツ)の街並みの風景、遠近感のしっかりした構図で安定感のある表現でした。ただ色彩、特に木のグリーンが生で、もう少し色の変化をつけた方がリアルで厚みのある絵になる、との意見が多く寄せられました。ベネチアの風景で運河に水面のキラキラした表現が見事で皆、魅入っておりました。

●最後は喜田さん(油彩5点)モノレールのある芝浦運河。構図のがっしりした表現は、計算された黒と白の使い方のよって見るものをくぎずけにしておりました。喜田ワールドにも磨きがかかってきたようです。他の4点も重厚な質感にあふれた作品に仕上がっておりました。

終わりに際し繊細な気配りとお気使いで接していただいた「サン&サン」クラブのスタッフの皆さまに心からの感謝をささげます。ありがとうございました。次回は7月11日(火)で川崎の大塚さんのお住いのマンションの集会所をお借りしてのサロン会となります。(事務局からの案内を熟読ください。)
新しい会場です。会員の皆様の多くのご出席をお待ちしております。

(酒井康彦 委員記)

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2017年5月度「OB美術サロン」報告

5月に入り、昼間の温度が25度を超える日があるかと思えば、夜には、10度。 その温度差にあたふたする5月9日、OB美術サロンが東陽町の日立物流「サン&サン」クラブで開かれました。14名の会員の出席のもと、5名の会員が作品を提出し、熱心な意見交換となりました。

まず、川島さん:油彩画4点、長野県の安曇野の山並みを背景にして、民家を手前に配した広がりのある風景画で、距離を変えた3点でした。いずれの作品も逆光で沈み込む山並みと陽光を浴びる民家の対比が見事に表現された傑作でした。

ただ1点、近景に作品の遠近をより明確にするもの、例えば、わら束の塊か樹木を置くなどすれば、より深味のある作品になるのではないかという意見が多かったようでした。近景、中景、遠景、風景の切り取り方の難しさを、皆、感じておりました。

次に植田さん:日本画2点、1点目は津和野の民家、それも大変格式の高い民家の門構えから奥の屋敷を描きこんだ作品で見事なものでした。この作品も、門前のスペースを少し広げると、よりどっしりとした門構えの感じが増すのではないか、との意見がありました。空間の置き方も、風景画の重要なポイントと皆頷いておりました。

次の1点は、弘前城から見た雪を頂いた津軽富士。手前に樹木と満開の桜をレイアウトした、いかにも日本の風景の極め付きといった作品でした。桜の木の陰影を少し強めるとより魅力的になるとの意見に、影の力の役割に皆納得しておりました。

次は喜田さん:油彩で2点、まず、シンガポールの海岸の風景。実景にはない人物を手前に置き独自の世界が見事にマッチしており、クリエイティブに富んだ喜田さんらしい作品でした。

次は芝浦の運河をビルの21階から描いた作品。俯瞰の表現が自由闊達なタッチの中にも緻密な構図から運河の奥行とその先の広がりを感じさせる作品でした。見事に計算された構図に皆、魅入っておりました。

次は福室さん:水彩画4点、まず、「どくろ」をメインに配したユニークな静物画。異様な雰囲気に、みなシーンとしておりました。ほかの3点は、花を描いた作品とホウズキとからしを描いた静物画。どの作品もバックの処理に工夫があり、建脇会員から背景の難しさの指摘も加わって皆、納得しておりました。

最後に大塚さんから切り絵の手法による楽しい小品の配布がありサロンを盛り上げてくれました。

来月、6月のOB美術サロン会は、6月13日(火)です。三年にわたって使用させていただいた、「サン&サン」クラブでの最後のサロン会となります。

どうぞ、ふるってご参加ください。

なお、会場変更のご連絡は別途事務局から封書により会員全員に連絡があります。

(酒井康彦 記)

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2017年3月度「OB美術サロン」報告

「美術サロン」(3月度)がまだ寒い日が続く3月14日(火)、東陽町の日立物流「サン&サン」クラブで開催されました。展覧会の準備に忙しいなか、23名の会員の出席をいただきました。作品を持参した会員は7名にのぼり、活発な意見交換が交わされました。

まず、大塚さん、貼り絵の大家の力作でした。表参道の銀杏並木で舗道に落ちた黄色と、並木の黄色。細やかな中にも、道を歩く人物との融和。見事なものでした。意見としては、黄色をもう少し鮮やかにしたらとの意見でした。制作期間5か月と聞いて皆びっくり。文字通りの力作でした。

次に川島さん。油彩の小品4点でした。黄色のバラを描いた作品では、もう少し花をまとめた方が作品としてしまるとの意見が多かったようでした。その他の意見としては、長瀞の水辺に浮かぶ観光船を描いた作品。岩のしっかりした表現に皆、感心しておりました。

喜田さんの作品は、油彩2点。1点は、2点とも先月の修正した作品。近景と中景をしっかりと描きこみ、メリハリのきいた見事な作品に生まれ変わっておりました。次も紅葉の並木が強調され、空も喜田ワールドの空らしく、見事に生まれ変わっておりました。

藤本さんの水彩画は、5点。それぞれが暖かみのある、穏やかな静物画で成熟したその表現力にみな魅入っておりました。
粕谷さんは、修正版の油彩1点。春の武蔵野で桜と桃の花がしっかりと描かれ暖かい雰囲気に皆、頷いておりました。

植田さんは、2点。2種の花「カラーとシャガ」(どちらも珍しい花のようです)を描いた日本画。黄色の画面の引き締め効果に感心しておりました。もう1点は南ドイツの湖を描いた俯瞰作品で、描いた湖と城とのまとまりの良さは、見事でした。

関根さんの作品は水彩画2点。1点はウイ―ンのアストリヤホテルのロビーで奥さんを入れて、日常感あふれる作品に仕上がっておりました。もう1点は、女性の座像。バックと女性の着衣の色彩とのバランスにもう一工夫、との意見があり、色の組み合わせの難しさに頷いておりました。

最後に福室さん、水彩3点。ミモザの花を画面いっぱいに広げた作品は、その鮮やかさの広がりに皆、魅入っておりました。
次回のサロン会は、展覧会のため、5月9日(火)となります。お間違いのないようにお願いいたします。

(委員 酒井康彦 記)

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2017年2月度「OB美術サロン」報告

まだ冷たい風が吹く寒い季節の2月14日(火)東陽町の日立物流「サン&サン」クラブで、14名の会員の出席のもとサロンが開催されました。作品を持参した人が4名でした。

まず、喜田さんの作品(油彩)2点。2000年ごろのローマの風景画でした。喜田さんの作品らしい厚塗りの重厚なタッチで存在感豊かな表現でした。会員の意見としては、前景を占める寺院の表現と、並木の紅葉の表現に一工夫あった方がより明確になるのではないか、寺院は陽が当たっている屋根の尾根の部分を明るく表現する。並木は幹を描くことでより明確になる。完成度を高める工夫として、喜田さんも納得のご様子でした。

次は、恩田さんの油彩2点。1点は浦安の古い民家をバックに橋の上の人物を描いた作品。意見としては、民家の表現、樹木の表現を含め立体感に乏しいのではないか。光と影をもっと強くすることによってよりよくなる。との意見でした。もう1点は女性の立ち姿に左右に花を配した作品。女性のデッサンをもう少し正確にすることと、花を配する意味が分かりずらい。等の意見でした。

また、F号に人物の立像を描くのは形状として難しいとの指摘もありました。しかしそのカラフルな表現は、見事なものがありました。

次に、女性会員の岡さんから、油彩20号の作品の写真。作品を写真にとって持参されました。桜の花びらに埋まった遊歩道を描いたもので春らしい穏やかな中にもくっきりとメリハリのきいた作品に皆感心しておりました。

最後に粕谷さん。千葉の戸川漁港の船溜まりを描いた油彩の作品の写真でした。倉庫と、岸壁と、船と、海とその構図の安定さと色彩のバランスの良さに皆魅入っておりました。海の色を濃く描いたものと淡く描いたものと同一構図の2枚の作品でした。

次回は3月14日(火)です。展覧会の前でもあり、多数の会員のご参加をおまちしております。

(酒井康彦 記)

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2017年1月度「OB美術サロン」報告

1月10日(火)午後1時から「サン&サン」クラブで行われた。サロンの後は2時30分から「新年会」と言う事もあって、今回は25名の多くのメンバーがサロンに出席してくれた。 作品を持参した会員も8名と通例よりも多かった。

まず、鈴木一雄さん。油彩2点。彼が長く駐在していたカナダ・ケベックの風景画と社交ダンスの一瞬をとらえた作品。いずれも教室で描いたもの。地面が石畳ではなくて木を使用したデッキ調のものを上手に表現していた。カナダの国旗が2本翻っているが、もっと旗を強調して面白さを表現したほうがよいとの指摘。ダンスの作品は奥様がモデル、ダンスの先生と奥様の踊りを一瞬捉えた。作品に動きがあり、「ドガ」を思わせる素晴らしいとの評。

2人目は松岡さん。松岡さん独特のサップグリーンを基調にした里山風景。静かで穏やかな秋の里山風景だが、近景に赤・黄・白の菊を配して、作品に強さを与えた。穏やかな里山風景と強烈な近景の菊が喧嘩しないで、調和させたところがすごいとの評。

3人目は植田さん。ドイツの山間にある白亜の城と城を囲む森、山間と湖水を描いた。同じモチーフで時間をずらせて、昼の風景と夕方の風景にチャレンジ。昼の風景は森や山の遠近が面白く表現されているが、夕方になると暗く沈んだ風景が平たんに描かれている。暗くなっても遠近をいかに表現するかが課題との指摘あり。日本画の「岩絵の具」でモダンなヨーロッパ風景を描くユニークさが素晴らしい。

4人目は若狭さん。彼が永遠のテーマにしている古いレンガ造りの水門風景。4号の小さな作品だ。彼はこれを100号の作品にするという。レンガに映ずる光と影を巧妙に表現した。議論の焦点は以下2点。
(1)4号では問題にならないが、100号にした時に広い面積を有する水面をどのように面白く表現し処理するか。(2)制作にとりかかる前に作品を以下のどれにするか決めるべし。①重厚、②軽妙、③明快、古いレンガ造りの水門ならば、当然①であるべき。松本俊介などの作品が参考になる、とのアドバイス。

5人目は福室さん。今回8枚の水彩を持参した。小さなスケッチブックの8枚は彼の勉強のための作品。
福室さんは先生のアドバイスだけでなく、自分でも色々な試行をして勉強熱心だ。
始めの3枚はTVの映像からピックアップして描いたもの。TV映像からの作品は面白くないとの自己評価。山を描いた3枚は葦ペンを使った手法が山を描くのに適しているか否かをトライしたもの。彼の結論が葦ペンは山には不適。しかしメンバーの多くの意見はその反対だった。
最後の2枚は上野「不忍池」を現地で写生したもの(福室7)と、自宅に戻って背景の建物を主体に描きなおしたもの(福室8)。現地での写生の方がよいとの皆さんの結論。

6人目は粕谷さん。「春の安曇野」の風景が2枚。いずれも粕谷さん独特の柔らかい筆致で描かれている。
トライした点は2枚目(粕谷2)の空の描き方。今までおとなしいモノトーンの軽い空を描いてきたが、今回は雲の動きを面白く表現したくて、色々な挑戦をしてみた。たしかに、雲の形や動きを描いて作品が生き生きとしてきた。風景画において空の役割が重要であることを示す一枚だ。

7人目は木戸さん。今年、92歳を迎える木戸さんはお元気だ。今回は15年前の作品2点(水彩)を持参した。イタリアのマリノの風景と改装前の東京駅風景。イタリアの風景は古い砦にのぼる石造りの階段道が巧妙に描かれている。「水彩はこう描くんだ」というお手本のような作品に皆さんは感銘した。

最後は喜田さん。今年になってお正月に描いた4枚の油彩作品。ドイツの風景、国内の運河と港、そして卓上の果物の4枚。いずれも早描きの喜田さんらしい骨太で色彩ある筆致が面白い。

(文責:喜田祐三)

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2016年11月度 美術サロン報告

夏から一足飛びに冬になったような寒さの中、11月度の美術サロンが11月8日(火)東陽町の「サン&サン」クラブで、開催されました。参加会員12名、内3名の会員が作品を持参。今月は、特に抽象と具象についてのディスカッションが熱を帯びていました。まず、井出さんの風景画(水彩)5点と裸婦(水彩)5点。例によって荒々しい線描写による抽象的表現と山並みを同じく線によって心象的に表現したものでした。参加会員から何を描きたいのかよくわからないとの感想が多く、抽象の難しさ、観る者と作者との絵画に対する感覚のすれ違いが感じられて、ますます抽象画の難解さが浮き彫りになりました。しかし、抽象的表現は、自己の心象表現なので、共感するしないは、別の感覚である、との結論で納得されたようでした。しかし、井出さんの抽象に対する熱意に皆、感心されておりました。

次に福室さんで、多数のリンゴが袋からこぼれ出ている水彩2点とイチジクの2点(1点は先生の作品で、さすがに、洒落た、端正な筆致と色彩の作品でした)、構図的に少しまとまり過ぎているとの意見もありましたが、素材が多い時の構図の取り方の難しさを皆、確認しておりました。最後は、藤本さんの木版画。女性の横顔2点と静物1点、裸婦1点でした。相変わらずすっきりと端正な版画に皆、魅入っておりました。多彩なテクニックで、新しい版画の制作を追及している藤本さんらしいレベルの高い作品でした。

次回は12月13日(火)に開催予定です。当日は、サロンの後、午後3時から忘年会を行います。制作の筆を少し休めて、皆で1年の締めくくりを盛大にやりましょう。多数の会員のご参加を心待ちしております。

(酒井康彦委員記)

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9月度 美術サロン報告

9月13日(火)に、東陽町の日立物流「サン&サン」クラブにて朝からの雨にもかかわらず18名の会員が参加、内、3名の会員が作品を持参、熱心な意見交換となりました。まず、植田さんの2点の水彩画で、まず、ドイツの城と森と湖の風景画。深い森の表現がユニークな細かいタッチで独特な雰囲気を醸し出していて皆、感心しておりました。

次の作品は、イギリスの川沿いの街並みを描いたもので、穏やかなイメージは、見事でした。ただ、それぞれの要素が少しフラットな描写で、メリハリをつけるともっと深味が出て良くなるとの意見も多く充実した意見交換でした。

次は、喜田さんの作品で油彩画4点で、パンジー。アジの開き。外房の御宿海岸。御茶ノ水のニコライ堂の社務所の4点でいずれの作品も小品ですが、重厚な描写にますます磨きがかかって、小品ならではの充実した作品に、皆、魅入っておりました。

最後に川島さんで、作品は雨で持参せず写真での意見交換となりました。2点で1点は、川舟での子供を中心にした田園風景でそののんびりした雰囲気の作品でした。意見としては、それぞれの要素が並びすぎているので、窮屈感がある、少し崩したほうがいいのではないかとの意見もあり、構図の取り方の参考にしておりました。もう1点は、背景に山並みを配した風景画で、穏やかな色彩と描写の的確さは手慣れたものでした。

次回は展覧会のため10月度は休み、11月8日(火)となります。お間違いのないよう、よろしくお願いいたします。

(委員 酒井康彦 記)

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8月度 美術サロン報告

体温より高い猛暑の中、8月9日(火)東陽町の「サン&サン」クラブで開催されました。
参加会員15名、内、6名の会員が作品を持参。
いつも以上の活発な意見交換が行われました。

まず、久しぶりに、関根さんが2点(水彩画)でそのうち1点は着物姿の友人のお嬢さんを描いた作品でした。これがまことに清楚な美人で、その姿に皆うっとりしていましたが、その構図に多くの会員から意見が寄せられました。メインのテーマ(美人)とバックとのバランス、光源の方向からの明暗の表現の仕方など、どの意見も皆、制作上参考になるものでした。次にスイスのマッターホルンを描いた風景画。意見としては、山塊の立体的な表現、周りの山の木々、手前のヒュッテなどの遠近の表現などに、穏やかな絵も、もう一工夫で、より豊かな空間表現になることを確認しておりました。

次に喜田さんの油彩画5点(小品)。相変わらず重厚で、自由奔放なタッチの喜田ワールドは、暑さにも拘らず健在でした。
次の若狭さんの油彩画は、大変珍しい滝を上から見た風景画で、その視点の新しさに皆、感心しておりました。下に落ちる前の水の表現も素晴らしいものでした。
藤本さんの版画は、「ねこ」「魚」「シンボル」の3点。仕上げの良さと完成度の高さは見事でした。次は、植田さんの日本画。前月のスカイツリー越しの月の夜景(水彩)の日本画版で水彩より月が天空でより高くより静謐に表現されており、素晴らしいものでした。
最後に渡部さんの水彩のスケッチ「紫陽花」「竜胆」「竜胆と果物」の3点。線を生かした、纏まりのある筆さばきは、手慣れたものでした。

次回は9月13日(火)です。展覧会も近く、制作の忙しい時期ですが、仕上げの参考に、ぜひ、ご参加ください。お待ちしております。

(委員 酒井康彦 記)

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7月度 美術サロン報告

7月12日(火)13時から東陽町の日立物流「サン&サン」クラブで開催。
梅雨の晴れ間の蒸し暑さもピークの中、16名の会員が参加しました。
作品持参は7名でした。

まず、植田さんのマンション14階の自宅から見た「スカイツリー越しに満月の輝く都会の夜景」(日本画)は夜空の月とビル群の灯の涼しげな夜景の表現に皆、束のままの暑さを忘れ、涼に浸っていました。
次は、井出さんの静物画(水彩)で例によって井出タッチの花瓶と花を豊かな色彩と自由奔放な線で(これは鉛筆)重ねた独特な個性溢れる作品。皆はその手法に意見が多く寄せられていました。

福室さんの水彩画は、ご本人の話で、師事している先生から、絵が真面目すぎる。もっと壊したほうがおもしろい、と言われているとのこと。この話に皆が、絵の壊し方、これは大変難しいことでどんな方法があるかと、意見交換が賑やかでした。個性表現の一里塚で、たいへん難しい問題です。
次に建脇さんの風格ある秩父の武甲山をバックにした横瀬の棚田風景と、裸婦の3点。いつもながらいろいろと新しい表現にチャレンジする建脇さんの裸婦には、みな感心しておりました。

藤本さんの水彩画は同じく横瀬の風景画と母親に抱かれた幼児の人物画(木版画)。
それに、シャムネコをレンガのバックに置いたユニークな版画でした。藤本さんの版画は、ヨーロッパでも優秀賞に輝くほどの腕前で、当会の誇りの一つです。
次は粕谷さん。上高地の風景画2点(油彩)。残雪の山、山と微妙なホワイトを見事に表現した雲のつながり、梓川の水面のブルーの深み。皆、魅入っておりました。
最後に喜田さんの油彩で小品8点でした。いずれの作品も喜田さん特有の重厚な仕上がりで、特にその中でも御茶ノ水のニコライ堂を真正面から捉えた堂々とした描写は見事な出来栄えでした。

これらの作品の写真がPDFでご覧になれます。
次回のサロン会は8月9日(火)同所、同時間に行なわれます。
ぜひ会員皆さまのご参加を、お待ちしております。制作上のご参考にもなされるよう願っております。

(文責:サロン委員 酒井康彦)

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6月度 美術サロン報告

6月度の美術サロンは、6月14日(火)13時から日立物流「サン&サンクラブ」で開催されました。梅雨に入り、少しムシムシする日でしたが、15名の会員が参加しました。 内、作品持参者は3名でいつもより少なかったのですが、時間が十分あったので、丁々発止の活発な意見交換の場となりました。
まず、独特の画風でいつもサロン会の空気を活気づける井出さんの水彩画は、具象対象を抽象化して表現する、又は具象を残しながら抽象的表現をかぶせるという今、井出さんが追及しているイメージがかなり実現されている作品になっていると思います。
具象と抽象の融合という永遠の難しい問題に活発な意見交換がありました。
次は福室さんの北陸の「新湊の船溜まり」の風景と、棚田の水彩画でした。棚田の重なりは表現が難しく、いろいろな意見が交わされました。しかし、棚田を主役にした構図に新鮮さが感じられて、皆感心しておりました。
最後に喜田さんで、SMと6号の小品の油彩でした。田町駅から10分歩けば行きつく、「芝浦運河の船溜まり」の風景で厚塗りの油彩で実存感あふれる表現に皆、魅入っておりました。
サロンでの意見交換のあと、恒例の有志による居酒屋での談笑会と充実のサロン会でした。

次回は7月12日に同所で開催されます。暑さを吹き飛ばすべく多数の会員の皆様のご参加をお待ちしております。

(酒井康彦 記)

追記 参加の会員の方は、各自弁当持参で12時頃から集まり、食事をしながらの談笑がスタートです。楽しいですよ。是非お気軽においで下さい。

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2016年5月10日(火)「美術サロン報告」

5月10日(火)13時から、日立物流「サン&サン」クラブにて開催されました。参加会員17名、内 作品持参会員7名でした。12時ごろから昼食持参で集まりわいわいがやがやと雑談しながらの食事のあと、合評会に移りました。まず岡さんが、モロッコ旅行のスケッチを油彩で仕上げた1枚を提出。ロバに乗る少年を砂漠のなかの家屋をバックに描かれて、その素朴でエキゾチックな雰囲気を的確に表現されていて皆、見入っていました。次に植田さんが日本画を出され、砂丘の上の月を風格のある1枚に仕立てられていました。中心に月を配したビクともしない構図はファンタシックな砂丘の風紋と相まって見事なものでいた。井出さんの油彩は、井出さんのテーマの山と裸婦の融合の3点でした。個性溢れる独特の表現は、いつも見るものを圧倒しています。川島さんはバラの油彩と御岳の多摩川渓谷と奥入瀬の2枚の小品でした。小品のいかにも日本の風景といった穏やかな中にも完成度の高い作品に高い評価でした。喜田さんの作品は、イギリスのロンドン郊外のメイドンヘッドを描いたもので、古い石造りの橋を手前に民家を奥に配したいつもの喜田ワールドのタッチも抑え気味で成熟した作品に仕上がっていました。福室さんの水彩は、ベネチアングラスに金色を配した何気なく描いているようでおおらかな水彩の特性を生かした1枚でした。最後に粕谷さんの埼玉県の所沢の田園風景を描いた油彩画でした。桃の花や雪柳など、花が溢れんばかりの春本番の1枚に、皆も移り行く春本番の花を満喫しておりました。次回は、6月14日(火)13時から同所で開催いたします。多数の会員の皆様のご参加をお待ちしております。
(サロン委員:酒井康彦)

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2016年3月8日(火)「美術サロン報告」

3月8日(火)13時から日立物流「サン・アンド・サン」クラブで開催されました。4月下旬の暖かさで、穏やかな、和やかなサロンとなりました。21名の会員が参加、うち4名の会員が作品をお持ちになり,活発な意見交換会となりました。
今年1月に入会された「堀越としの」さんが素晴らしいパステル画(花)を2点持参され、その洒落た色彩のソフトな味わいに皆さん感動しました。素晴らしい会員が入会してくれたことを感謝いたします。名誉会員の木戸さんは東京の下町情緒が残る「日本橋」と「佃しま」の船溜まりを描いた作品を持参されました。
さすがにカルチャーセンターで教えておられた実力が存分に発揮されており、水彩画を描く会員にとって、大変参考になるものでした。
事務局長の喜田さんはヨーロッパ風景を4点持参されました。これらの油彩画は「喜田ワールド」ともいうべき独特の世界を表現しており、その個性あふれるマチエルとヨーロッパの印象に皆さん浸っておりました。
若狭さんの油彩画1点は印旛沼の船溜まりの情景が見事に表現されており、その的確な構図の切り出し方、筆さばきは皆さんをうならせました。
次回は4月が春の展覧会のために美術サロンは休会になりますので5月になります。
5月10日(火)13時から同場所で開催いたします。多数のお参加と、作品(習作OK)を期待いたします。
実のある、サロンにしたいと委員は思っています。(サロン委員:酒井康彦)

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2016年2月9日(火)「美術サロン報告」

2月9日(火)快晴、「サン&サン倶楽部」に15名参加。
井出さん、植田さん、粕谷さん、川島さん、喜田さん、中尾さんが作品を持参。
昼食の後、持参した作品を眺めながら活発な合評会が行われた。作者から作品の解説が有り、そのあと参加者が自由に意見を述べる。活発である。かつてよりも議論が活発になってきた感あり。
大いに結構なことだ。
植田さんは松江城の城壁と天守閣を奇抜な構図を提案した。構図の是非について議論。井出さんは山梨へのスケッチ会での作品をその後、色々な角度から研究している。手前の家を大きく入れたほうが良いか、小さくして山を主体にした方が良いか、研究。大いに議論が分かれて白熱する。作品を列記する。(サロン委員:酒井康彦)

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2016年1月12日(火)「美術サロン報告」

今年、最初の「美術サロン」18名の参加を得て実施。
作品持参社は5名(福室正氏、粕谷栄治氏、喜田祐三氏、松岡濶氏、井出勝彦氏)。
福室氏は水彩画を6枚持参。習作と言って色々な視点から挑戦を重ねている姿勢がすごい。多作である。
粕谷氏はここ5年間、長野県の里山と山(安曇野と妙義山)をテーマに描き続けている。1枚の絵をとことん追求するところがすごい。喜田氏は大胆なタッチで黒の縁取りの中へ油絵の具をこすり込み、汚れた作品の中に自己の理想とする美を表現する努力をしているようだ。松岡氏は喜田氏とは対照的に描こうとする風景に対し精細な観察の下に形と色を選び、心を込めて作品に向かい合う姿勢が素晴らしい。最後に井出氏はどちらかと言えば抽象と具象を1枚の絵の中に比率を変えて混じらせた作品に挑戦中だ。これでもか、これでもか、と追及して画用紙を複数のメデイアを使って汚しながら苦悩している。
絵は百人百様だから面白い。次回からは数点の作品を写真を使って記録の中で報告したい。
(サロン委員:酒井康彦)